中国は福島第1原発の事故を深刻に受け止め、原発や関連施設の安全検査を実施し、この間はエネルギー政策における原発の位置づけを再検討するため、原発新設の審査などを見合わせていた。
国務院の温家宝総理は5月31日に国務院常務会議を開催し、全国の民間利用の原子力設備の総合的安全検査の情況報告を改めて聴取するとともに、「原子力安全プラン」を審議し原則として可決した。
国務院常務会議は中国の電子力発電所は現在、「国際的な安全基準を満たしていることが確認できた」と判断した。
原発プロジェクトの審査承認作業がまもなく再開する見込み。
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中国の国家発展改革委員会(NDRC)は6月11日、今年夏の電力不足量が最大で約1800万キロワットになると発表した。
標準的な原子力発電所の18基分に相当する。
本年初めには今夏の不足量を4千万キロワット前後と予測していたが、景気減速を受け下方修正した。
昨年夏は3千万キロワットの電力不足が発生した。
NDRCは物価を安定させる目的で、電気料金の上昇を抑制しており、この結果、多くの発電所で収益が低下しており、稼働率の低下や投資不足を招いている。
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日本原子力産業協会の「世界の原子力発電開発の動向」では中国の2012年1月1日現在の中国の状況は以下の通りとなっている。
運転中 14基 1,194.8万kw 建設中 30基 3,329.9 計画中 26基 2,817.5 合計 70基 7,342.2
計画中のものが全て完成すると、能力は現在の6倍にもなる。
現在稼働中と建設中の原発は以下の通り。
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2007/5/24 中国・田湾原子力発電所 1号機商業運転、2号機 試運転開始
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