JX日鉱日石エネルギーは7月13日、水島製油所で、高圧ガス保安法に基づく保安検査において不備があることが判明した と発表した。
本年6月に水島製油所B工場において、LPガス球形タンクの過去の補修工事の記録に疑義が生じたことから、これまでの同製油所内のLPガス球形タンクの補修工事について調査を開始した。
その結果、2000年からこれまでの間、同製油所B工場のLPガス球形タンク26基中の18基において、虚偽の保安検査記録の作成が行われていたことが判明した。また、一部の製造装置においても、不備を確認した。
不備が判明したLPガス球形タンクの使用およびB工場の関連装置を順次停止し、安全性を完全に確認するまでは、運転を見合わせる。
また、本件について、継続して調査を進め、グループ全製油所において同様の事例がないか確認・調査を行うとともに、再発防止に全力を傾注するとしている。
同社によると、内容は以下の通り。
・劣化で鉄板の厚みが薄くなったタンクについて、補修工事をしながら県に「問題なかった」と虚偽報告(13件)
・検査で安全基準を下回る厚さが検出されながら操業していた(2件)
・厚みを水増しするなどし、補修の内容を過少報告したケース(7件)
県に問題を報告すると、補修後に3、4日間の耐圧検査が必要になる。
操業の遅れを避けるため、県に届け出ずに補修し、耐圧検査を免れた。
(これについて議論した内部の勉強会の資料が見つかったという)
安全基準を満たさず操業していたケースは「故意でなく過失」としている。
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新日本石油と新日鉱ホールディングスは2010年4月に統合持株会社 JXホールディングス を設立、同年7月に両グループの全事業を統合持株会社の傘下に統合・再編・整理した。
JX日鉱日石エネルギーの水島製油所は新日本石油精製とジャパンエネジーの製油所を統合したもので、前者がA工場、後者がB工場となっている。
問題を起こしたB工場はジャパンエナジーの製油所。
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