OPEC、生産枠据え置き

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OPECは6月14日、ウィーンで開催した総会で、下期の生産枠を日量3000万バレルに据え置くことで合意した。

現在、サウジの増産などにより、OPECの生産量は日量3160万バレルとなっている。

サウジは燃料価格の上昇が世界経済の成長を妨げるのを防ぐため、原油生産を30年ぶりの高水準となる日量1000万バレルに大幅拡大している。

ヌアイミ石油相は総会に先立ち、「われわれの行動は、原油価格を3月時点の128ドルから現在の約100ドルに押し下げることに役立った。欧州と世界経済へのある種の刺激策となった」との見解を示し、原油価格が下落しているにもかかわらず、OPECの生産目標を引き上げる必要があるとの見解を示した。イランの今後の減産を視野に入れている。

原油価格下落を受け、一部加盟国は生産枠の引き下げを主張した。
財政均衡を原油価格の1バレル=100ドルを上回る水準に頼る一部の国は、原油価格がさらに下落する可能性を懸念している。

サウジアラビアも国家公務員の給与引き上げ、社会保障の拡充、公共投資の増加を実施しており、アブドラ国王は2008年12月に、75ドルが原油の適正価格だと発言した。

しかし、世界経済の減速に原油高が加われば、景気をさらに冷え込ませ、一層の原油価格下落を招く恐れもある。このためOPECは目標を据え置く一方、超過生産を減らすことで合意した。

OPEC事務局長は、生産枠の据え置き合意は160万バレルの減産を意味すると指摘した。

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OPEC生産枠の推移は下記の通り。(千バレル/日)

  2007/2 2007/11 2008/1 2008/9 2008/11 2009/1 2012/1
Algeria 794 1,357 1,357 1,357    1,286






Iraq
 含まず

 

 

Iraq含む
Iran 3,788 3,817 3,817 3,817    3,618
Kuwait 2,065 2,531 2,531 2,531    2,399
Libya 1,371 1,712 1,712 1,712    1,623
Nigeria 2,123 2,163 2,163 2,163    2,050
Qatar 663 828 828 828     785
Saudi 8,399 8,943 8,943 8,943    8,477
UAE 2,257 2,567 2,567 2,567    2,433
Venezuela 2,970 2,470 2,470 2,470    2,341
Angola     ー     ー 1,900 1,900    1,801
Equador     ー     ー 520 520     493
Iraq (ー) (ー) (ー) (ー) (ー) (ー)
Indonesia 1,370 865 865

離  脱

Total 25,800 27,253 29,673 28,808   27,300 24,845 30,000
(増減) (-500) (1,450) 2,420 〔-865〕   (-1,500)    


2008年9月総会ではイラクを除く11か国の生産枠合計は、離脱したインドネシアの枠を除いた28,808千バレルであった。
2008年11月総会では1,500千バレルを減らし、27,300千バレルとした。

2008年12月総会では、2009年1月からの生産枠を24,845千バレルとした。
これは2008年9月の生産量29,045千バレルから4,200千バレルを減らしたもの。

2008/12/18 OPEC 大幅減産決定

これ以降、国別の生産枠は明らかにされていない。

2011年12月の総会で、2012年1月以降の生産枠を、イラクを含む加盟12カ国の生産枠を日量30,000千バレルとすることで合意した。
ほぼ現状の生産量に即した水準で、サウジアラビアの意向に沿った形となった。

今回はこれを据え置く。




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