EUは6月25日の外相理事会で、7月1日から域内保険会社がイラン産原油輸送タンカーに損害保険を販売することを禁止することを決めた。
韓国は、欧州の保険会社の再保険がなければイラン産原油を運ぶタンカーを運航することができないため、7月からイラン産原油の輸入を全面的に停止した。
韓国は米国の要求により2010年からイランとの金融取引を停止しており、韓国の石油各社はイランからの原油の輸入代金を国内のウリィ銀行と中小企業銀行に開設された口座に入金し、韓国の輸出企業はイランから受け取るべき代金をその口座から引き落とす形で決済している。
イラン産原油の輸入停止が長期化すれば、残高がなくなり、輸出代金が受け取れず、韓国のイラン向け輸出にも影響を与える。
2012/7/3 韓国、7月からイラン産原油の輸入を全面停止;日本は輸入継続
韓国政府の高官は7月12日、「イラン産原油の輸入を停止した直後、イラン政府が自国籍のタンカーで韓国まで直接原油を輸送すると提案してきた。省庁間での協議を踏まえ、これを受け入れることを暫定的に決定した」と語った。
イランはEUの制裁措置で閉ざされた販路を開くため、こうした提案をしてきたとみられる。
韓国政府は関係者をイランに派遣し、同国の提案を確認した。
船舶保険がなければタンカーは入港できないが、イラン政府は自国のタンカーに10億ドル規模の船舶保険をかける方針だという。
韓国政府の関係者は、「現在の国内法では、タンカー1隻当たり1億3000万ドルの保険に加入していれば入港に問題がない。イラン政府が高額の船舶保険まで提供することを決めたため、輸入を再開する方向で意見をまとめた」と説明している。
韓国政府は既に米国に輸入再開方針を伝えたという。
韓国は自発的にイランとの金融取引を中止しており(韓国の輸入金額と輸出金額の相殺という抜け道で輸出入は行ってきた)、かつ、米国による追加金融制裁から除外されたため、米国による制裁の問題はなくなった。
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米国は2011年12月、核開発を加速するイランへの資金流入防止を目的に、イラン中央銀行と取引関係のある外国金融機関に事実上の制裁を科す条項を盛り込んだ国防権限法を成立させた。
これには、原油輸入を大幅に削減していれば例外とすることも盛り込まれている。
米国務省は3月20日、核開発疑惑を強めるイランへの追加金融制裁の適用対象から日本と欧州10か国の合計11か国を除外する方針を決め、米議会に伝達した。除外期間は180日間。
適用除外したのは、日本、ベルギー、チェコ、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリー、オランダ、ポーランド、スペイン、英国。
2012/3/21 対イラン制裁法、日本は適用除外
米国は6月11日、韓国やインド、台湾、南ア、マレーシア、スリランカ、トルコの7か国・地域を、6月28日には中国とシンガポールも除外した。
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米政府は7月12日、制裁対象の追加を行った。
その中で、National Iranian Tanker Company (NITC)と同社所有の58隻の船舶、関連27社をイラン政府の機関と認定した。
同社はイラン国営石油会社の元子会社で、表向きには12年前に民営化されたことになっている。
「イランがトンネル企業を利用することで制裁回避を試みているほか、塗り替えや船籍の変更、GPS装置の無効化によりタンカーの隠蔽を試みようとしていることが浮き彫りになった」と言明している。
米市民はこれらの企業との取引は禁止される。
韓国がイランのこれらのタンカーで原油を輸入する場合、なんらかの影響が出る可能性がある。
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