2012年第1四半期決算

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3月決算会社の2012年第1四半期決算が発表されている。

石油化学やエレクトロニクス関連が前年同期比で大幅減益となっている。
この結果、上期予想を下方修正する会社が多い。

今後も国内需要の回復は見込めず、輸出も中国経済の変調で期待できない。
国内エチレン体制の構造改革が必要である。

このなかで信越化学は米国シンテックの業績が好調でシリコンの減益を補い、上期予想も前年比で増益とみている。

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三菱化学

 ケミカルズ、ポリマーズが大幅に悪化した。

     

 億円

  2011/1Q 2012/1Q 増減
エレクトロニクス 1 -4 -5
デザインド 105 38 -67
ヘルスケア 247 209 -38
ケミカルズ 160 -77 -238
ポリマーズ 109 6 -103
その -2 3 5
調整 -22 -19 3
合計 598 156 -442

 上期予想も下方修正した。

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住友化学

 同様に、基礎化学、石油化学が大幅減益となった。

  2011/1Q 2012/1Q 増減
基礎化学 70 -25 -95
石油化学 58 1 -57
情報電子化学 41 12 -29
健康農業 81 65 -16
医薬品 135 126 -8
その 12 12 -1
調整 -49 -60 -11
合計 348 130 -217

 上期予想   下方修正。

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三井化学

  石化、基礎化学品が大幅減益となった。

  なお、4月22日に岩国大竹工場で爆発・火災事故が発生、事故発生当初は同工場内の大部分のプラントが停止。

  2011/1Q 2012/1Q 増減
石化 60 35 -25
基礎化学品 128 -8 -136
ウレタン -26 -2 24
機能樹脂 20 27 6
機能化学品 27 38 11
フィルム・シート 17 -3 -20
その -7 -18 -11
合計 220 69 -150

 2013/3予想は当初は事故の影響が不明で発表せず、6月14日に初めて発表した。
   上期予想は今回発表で、前年比大幅減。

なお、同社は岩国大竹工場の事故の影響を-60億円(営業損益、特別損益各‐30億円)と発表しているが、
うち、上期については営業損益 -30億円、特別損益 -50億円の合計 -80億円となっている。下期に保険収入など。

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東ソー

 石化が大幅減益、クロルアルカリは市況悪化に加えて2011年11月のVCM事故による生産減、販売減が大きい。

  2011/1Q 2012/1Q 増減
石油化学 39 7 -32
クロルアルカリ 15 -50 -66
機能商品 45 24 -21
エンジニアリング -2 -1 0
その 7 3 -4
合計 104 -18 -122

  上期予想 営業損益で50億円の減益となり、当期損益予想は20億円の赤字とした。

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旭化成

 ケミカルとエレクトロニクスが大幅減益となったが、住宅が増益となり、一部カバーした。

  2011/1Q 2012/1Q 増減
ケミカル 644 445 -199
住宅 365 463 99
医療医薬 70 88 18
繊維 42 31 -11
エレクトロニクス 143 64 -78
建材 21 18 -3
その 17 30 13
合計 1,302 1,140 -162

 上期予想 下方修正。

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信越化学

 半導体シリコンの減益を塩ビの増益でカバーした。通期でも前年、前々年を上回る予想。

  2011/1Q 2012/1Q 増減
ビ・化成品 61 99 38
シリコーン 92 75 -17
機能性化学品 35 39 4
半導体シリコン 104 66 -38
電子機能材料 92 104 12
その 17 18 1
調整 -1 3 3
合計 400 403 3

 上期予想 今回初めて予想を発表した。

 


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