Invisaは8月13日、バイオ技術会社のLanzaTechとの間で、バイオベースのブタジエンを対象とする共同開発契約を締結した。
両社は産業排ガス中の一酸化炭素からブタジエンを製造する1段階法と2段階法の技術を共同で開発する。2016年の商業生産を狙う。
先ず、LanzaTech技術を使用して一酸化炭素から2,3-ブタンジオールを製造し、これを原料にブタジエンを製造する2段階プロセスから着手し、ガス発酵法による1段階のブタジエン製造技術も開発する。
更にこの技術を進め、将来は、一酸化炭素を含む排ガスからLanzaTechのガス発酵技術を使ってナイロン6,6 原料のアジポニトリルなどの化学品を製造する。
LanzaTechは2005年にNew Zealandで設立され、現在はイリノイ州Rosell
に本拠を置く。
排ガスから低炭素燃料や化学品を製造するgas-liquid発酵技術を開発した。
LanzaTech技術は微生物触媒を使用するのが特徴。
他にも微生物を使うGas-to-fuel 技術が開発されているが、これらはガス中に大量の水素を必要とする。
製鉄所の排ガスには水素は少ない。LanzaTech技術はそういった排ガスも利用できるのが大きな利点。
現在、New Zealand
の製鉄所の年産15千ガロンのパイロットプラントで排ガス中の一酸化炭素からエタノールと2.3-ブタンジオールを生産している。
上海では宝鋼集団の製鉄所の排ガスを使い、年産100千ガロンのパイロットプラントでエタノールを生産している。
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ブタジエンは、自動車タイヤ用途を中心として需要が拡大しているが、ほとんどがナフサ分解C4留分からの抽出で生産されている。
今後、シェールガスを原料とするエチレン生産(C4留分がない)が広がると、ブタジエンが不足することが見込まれている。
三菱化学は2008年12月、自社開発した触媒を用いてブテン類からブタジエンを製造する新技術を開発、工業化技術確立の目処が付いたと発表した。
2008/12/16 三菱化学、ブタジエンの新規製造技術を開発
三井化学は2010年3月、エチレンからブタジエンを効率的に製造する新技術を開発したと発表した。
新規エチレン二量化触媒でエチレンからブテンを製造し、新規脱水素触媒でブテンからブタジエンを製造する。
2010/3/27 三井化学、新規ブタジエン製造技術を開発
ブリヂストンは北海道大学の上田渉教授と共同で、サトウキビなどを原料にしたバイオエタノールと独自の金属触媒を化学反応させ、ブタジエンをつくる技術を開発した。
同社は、「持続可能な」社会の実現に向け、再生可能原料のみを使った理想のタイヤ技術を目指すことを明らかにしている。
1)新しい再生可能資源に『拡げる』取り組み
①天然ゴム生産地域の多様化
②タイヤ用補強繊維で植物由来繊維の多様化・拡充2)化石資源を再生可能資源に『換える』取り組み
①バイオマス由来合成ゴムの開発:バイオエタノール由来のブタジエンを用いた合成ゴムなど
②バイオマス由来カーボンブラックの開発
③バイオマス由来新規ゴム配合剤の開発等ブリヂストンは5月31日、味の素からバイオマスから生成したイソプレンの提供を受け、合成ゴムの重合に成功したと発表した。
材料にバイオマスを使用、味の素が発酵技術を活用してイソプレンを生成、ブリヂストンが合成ゴム〔高シスポリイソプレン〕の重合に成功した。2012/5/30 ブリヂストン、再生可能原料のみを使った理想のタイヤ技術を目指す
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