大日本住友製薬と日東電工、世界初の統合失調症治療用テープ製剤を共同開発

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大日本住友製薬と日東電工は7月27日、経皮吸収による統合失調症治療剤として、非定型抗精神病薬「ロナセン®」のテープ製剤の第Ⅱ相試験に着手したと発表した。

大日本住友製薬は2008 年4 月より統合失調症治療ロナセンの経口剤を国内で販売している。
日東電工は経皮吸収型テープ製剤設計の技術を確立しており、両社の医薬品と製剤技術を融合させ、統合失調症治療用の経皮吸収型テープ製剤の共同開発を2010 年より行ってきた。

健康成人を対象に実施した第Ⅰ相試験で良好な経皮吸収性を確認できたので、最適な貼付条件を検討するため患者を対象にした第Ⅱ相試験を開始した。

世界初の統合失調症治療用テープ製剤の実用化に向け取り組む。

テープ製剤化の狙いは以下の通り。
・投薬期間中安定した血中濃度を維持することができる。また食事の影響を受けにくい。
・経口投与が困難もしくは経口投与を希望しない患者に新たな治療の選択肢を提供。
・投薬状況を視覚的に確認できる。

統合失調症は精神疾患の一つで、国内では約80 万人が罹患しているといわれている。
幻覚・妄想などの陽性症状、情動の平板化/思考の貧困/意欲の低下などの陰性症状、および注意力低下/情報処理能力障害などの認知機能障害等、様々な精神症状が現れることが知られている。

ロナセンは、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)、陰性症状(情動の平板化、意欲低下など)に対する改善効果を示すことが臨床試験にて示されており、副作用も少ないという。

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日東電工では1970年代後半から、世界に先駆けて経皮吸収型テープ製剤の開発に取り組んだ結果、コントロールドリリースに最適な粘着剤合成をはじめ、安全性・安定性にすぐれた製剤設計の技術を確立した。

経皮吸収型テープ製剤は、貼って治す薬物投与方法として内服薬、注射剤などにない数々の利便性を備えている。

・内服薬のように消化管や肝臓などに負担をかけない。
・注射剤のように針の侵入に伴う痛みがない。
・薬物の投与量をコントロールして一時的な過度の薬物吸収による副作用を軽減できる。
・効果の持続性にすぐれ、投与(貼付)が目で確認できる。

経皮吸収型テープ製剤技術開発のポイントは以下の通り。

日東電工では下記を開発している。

 虚血性心疾患治療用テープ製剤"貼る心臓薬"

狭心症など虚血性心疾患治療に用いる、硝酸イソソルビドを粘着剤中に含む経皮吸収型医薬品
胸部、上腹部などに貼ることで、安定した心臓機能の改善がもたらされる。

 喘息治療用テープ製剤 

気管支喘息など喘息治療に用いるツロブテロールを粘着剤中に含む世界で初めての経皮吸収型・気管支拡張剤
呼吸機能は1日のうち深夜から早朝にかけて低下するが、「必要な時に必要な量を送達する」時間薬物治療の考えに基づく製剤。

 局所麻酔用テープ製剤"貼る麻酔薬"

皮膚を麻酔するテープ製剤

 



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