中国、レアアースへの新たな参入条件を発表

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中国工業情報化部は8月6日、公告33号「レアアース業界参入条件」を発表し、生産規模・生産技術・エネルギー消費等の面から同業界の規範化を行った。これを受け、全国の20%のレアアース生産能力が淘汰される見通し。

詳細は 稀土行业准入条件.doc

小規模企業の淘汰を促し、供給を引き締めて世界需要が低迷するレアアースの価格引き上げを狙う。

概要は以下の通り。

レアアース鉱山の開発・冶金・精製に関する新規・改築・拡張プロジェクトは、参入条件を満たさなければならない。
これが満たされなかった場合、関連審査部門はプロジェクトの実施を許可しない。

レアアース資源を採掘する場合、採掘許可証と安全生産許可証を取得する必要がある。
資源企業は許可された開発利用プラン・採掘プランを順守し採掘を実施する。
無免許の採掘、未許可の範囲での採掘、環境を損ね資源を浪費する採掘技術の使用は禁じられる。

レアアース業界に生産規模の下限を初めて設けた。

レアアース(酸化物)の生産規模:年産2万トン以上
バストネサイト(炭酸塩鉱物、フッ化鉱物):5千トン以上
希土類元素イオン:500トン以上

混合型レアアース製錬:8千トン以上
バストネサイト製錬:5千トン以上
希土類元素イオン製錬:3千トン以上

技術面の規制は以下の通り。

混合型レアアース、バストネサイト鉱開発に当たり、完全な廃水処理設備、特別な廃棄鉱石置き場と選鉱クズ池が必要。その他。

エネルギー消費に関しては2つの基準の達成が必要

回収率の基準達成が必要。

環境保護基準の達成

中国工業情報化部では、「レアアース企業の参入のハードルを高くすることで、業界内の負の競争を防ぐことができ、かつ同業界全体の生産・経営品質を高めることができる。今回の措置により、全国の約20%の生産能力が淘汰されるだろう」と語った。

中国工業情報化部の2010年末の調査によると、中国には23社の資源企業、99社の冶金企業が存在する。
このうち3分の1の資源企業、2分の1の冶金企業が、今回の基準を満たせない可能性がある。

基準未達の企業について、同条件は「産業構造の改善・アップグレードの要求、国家産業政策の指導に基づき、立ち遅れた生産能力の淘汰、再編、技術改造等の手段を通じ、参入条件の規定を満たさなければならない」と定めた。

同日発表された「レアアース企業参入公告管理暫定方法」も、「同条件の基準を満たさない企業、関連資料に虚偽の記述を行った企業、監督・検査の受け入れを拒んだ企業、深刻な安全生産事故・環境汚染事故の生じた企業、環境関連法に著しく違反した企業、新規定により経営資格を取り消されたレアアース企業は、改善による合格から2年後、参入を再申請できる」と明記した。



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