スペインのRepsol、Sinopecにエクアドルの石油権益の一部を譲渡

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エクアドル政府はこのたび、スペインのRepsolに対し、同社の子会社 Amodaimi Oil をSinopecに売却することを承認した。

売却金額は明らかにされていない。

Repsolはエクアドルで油田Block 16 と Tivacuno を開発している。


現在の権益は以下の通りで、今回の売却後もRepsolは35%を保有し、Operatorを続ける。

Repsol 35% operator
Repsol 子会社 Amodaimi Oil 20% 2009年にMurphy Oil から買収
台湾中油海外石油投資公司(OPIC) 31%  
Sinochem(中国) 14%  


アルゼンチン政府は4月16日、スペインの石油会社Repsol-YPFのアルゼンチン子会社YPFを国有化する方針を明らかにした。

2012/4/19  アルゼンチン大統領、スペイン石油大手傘下を国有化へ、スペインは反発

YPFの国有化を受け、格付け会社はRepsolを投資不適格の1つ上にまで格下げした。

Repsol は財務構造を改善して投資適格の格付けを維持するため、2012から2016年までに45億ユーロの資産を処理する戦略計画を立てており、これまでに18.5億ユーロを売却した。

このうち、7月にチリのLPG会社Repsol Butano Chileを540百万ドルで投資家に売却した。

逆に本年5月には、石油開発と生産を中心に2016年までに190億ユーロを投資すると発表している。

ーーー

アルゼンチン政府は5月7日、法令 660を発布、YPFの51%を取得した。

これによる出資比率は以下の通りとなる。

アルゼンチン政府 26.03%  
州政府 24.99%  
合計 51.02%  
Petersen Group 25.46%

Eskenazi 一族の会社(下記)

-6.00%
Repsol Peterson 6.00%

Peterson向けローン(未返済)の担保

非接収 6.43%  
上場  17.09% Buenos Aires とNew Yorkの株式市場


YPFはもともとアルゼンチンの国有石油会社だったが、1999 年の民営化に伴う政府放出株式をRepsolが購入した。

RepsolはYPFの買収後、2008年にアルゼンチンの億万長者Eskenazi 一族に15%を売却、昨年には更に10%を売却した。(子会社Petersen Group が株主に)
 
Eskenazi一族は買収資金を銀行とRepsolからの借入金で賄った。
  YPFはこの買収時の契約に従い、利益の90%を配当(年2回)として支払っていた。

今回の政府による接収で配当を受け取れなくなり、銀行とRepsolからのローンを返済できなくなった。

Repsolからの担保のYPFの6%はRepsolに移る。(下記の通り、ローンは消却している。)
銀行も一時返済期限を延期しているが、このままでは残りも銀行に移ることとなる。

接収の対価ははっきりしないが、Repsolでは56億ユーロを計上している。
アルゼンチン政府には100億ドルを請求している。

接収の会計処理
YPF資産 -47億ユーロ
Petersenへのローンの消却 -14億ユーロ
売却額
(Registration of the value
    as Assets for Sale)
+56億ユーロ
繰延税金効果 +5億ユーロ
差引合計 -38百万ユーロ

2011年度でのRepsol におけるYPFの位置付けは以下の通りで、大きな地位を占めており、影響は大きい。

営業損益  12億ユーロ(全体の25.6%)
純損益    5億ユーロ(全体の21.0%)
投資額   22億ユーロ(全体の33.7%)

 



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