DuPontは8月30日、Carlyle
Group にPerformance Coatings事業を現金49億ドルで売却する契約を締結したと発表した。
Carlyleは、250百万ドルのDuPontの同部門の年金積立不足額も継承する。
Performance Coatingsは自動車用及び産業用塗料(液体塗料、粉末塗料)を扱い、2012年の売上高は40億ドル以上で、従業員は11千名を超える。
DuPont CEOのEllen Kullman女史は 「この取引は、デュポンのビジョンである"世界で最もダイナミックなサイエンスカンパニー"に沿っており、また、高い成長率と高収益の事業、すなわち農業・栄養健康・高機能素材・バイオテクノロジー事業に注力するというデュポンの長期戦略にも沿うもの」とし、 「DuPontの変身は続いている」と述べた。
DuPontの部門別実績は以下の通りで、Performance Coatings事業の利益率は6.3%で、Nutrition & Health を除き、
最低である。
同社では全社の長期的な利益率を12%としている。
DuPontは2001年10月に医薬部門をBristol-Myers Squibb に78億ドルで売却している。
但し、条件として、抗高血圧薬のCozaarとHyzaar(Cozaar とチアジド系利尿剤 との合剤) の権利は DuPont が維持し、Merckにライセンスした。
現在の「医薬部門」の利益はこの特許料である。
Performance Coatings事業の採算は2010年に経営陣を入れ替え、かなり改善したが、「同事業の将来的な成長はDuPontの外部、すなわちCarlyleへの売却により達成されるとの結論に至った。」(Ellen Kullman)
本事業の売却は昨年秋から噂されていた。
DuPontが売却先探しにCredit Suisseを採用したとの報道も行われた。本年1月にはオークションを開始した。
Carlyle のほかに、Apollo Global Management と KKR/Onex Corp.連合が争っていた。
Kullman
CEOは、この売却後もDuPontは自動車産業に一層注力することを強調した。
引き続き、自動車業界の需要家と協力し、自動車軽量化、環境負荷を低減する冷媒製品、バイオベースの内装シート表皮材、次世代バイオ燃料など、科学を基礎としたイノベーションを提供するとしている。
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