新元素 113

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理化学研究所は9月27日、新たに3 個目の113 番元素の同位体の合成を確認したと発表した。

新たな崩壊過程を確認したことで発見を確実に証明でき、新元素として国際的に認定される可能性が高まった。

認定されれば命名権が与えられる。元素名は「ジャポニウム」が有力視されている。

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現在、原子番号1 番の水素(H)から112 番のコペルニシウム(Cn)までと、114 番フレロビウム(Fl)、116 番リバモリウム(Lv)の計114 種類が認定されている。

自然界には92番ウランより重い原子が存在しない。
(それ以上の原子番号の原子核は短い時間で崩壊し、安定な別の原子核へと変化してしまう。)

93 番以降は人工的に合成され、最近では114 番と116 番についてロシアと米国の共同研究グループが存在を報告、元素発見の優先権について国際的な認定を受けている。

国際純正及び応用化学連合(IUPAC)は2009年5月、112番元素を公式に認めた。
コペルニクスに因んだ「Copernicium」(元素記号 Cn)はコペルニクスの誕生日「1473年2月19日」に合わせ、2009年2月19日に正式に発表された。

2009/8/26 112番目の元素 Copernicium

国際純正及び応用化学連合(IUPAC)は2011年12月1日、同年6月に新元素であることを認めた2つの元素(原子番号114と116)の名前を発表した。

2011/12/8 新元素 Flerovium(原子番号114) とLivermorium(原子番号116)

ロシアのドブナ研究所とアメリカのローレンス・リバモア研究所の共同研究グループは、カルシウム(Ca)のビームを、アメリシウム(Am)やバークリウム(Bk)、カリホルニウム(Cf)に照射して113、115、117、118 番を合成し、その発見を主張してい る。

113番元素については、「115番新元素の原子核の初合成に成功し、その崩壊連鎖上の原子核として原子番号113の原子核も発見した」と発表した。

新元素の合成を証明するには、その元素が崩壊連鎖を起こして既知の原子核に到達することが重要だが、上記のどれも崩壊後に既知の原子核に至っていないため、優先権はいまだ認定されてい ない。

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理研の森田浩介准主任研究員らは2004年と2005年の2回、原子番号113の元素を加速器で合成した。

理化学研究所は2004年9月28日、これまで確認されている元素より、さらに重い113番元素の発見に成功したと発表した。

中央研究所加速器基盤研究部が、世界最高のビーム強度を有する理研線形加速器を80日間連続稼働させて得られた実験結果によるもの。

理研では、原子番号83のビスマスに、1秒間に2.5兆個の原子番号30の亜鉛ビームを80日間照射し続け、約100兆回の衝突を行わせ、原子番号113の原子を1原子合成し、確認することができた。

寿命は約0.0003秒で、次々にアルファ線を出し、さらに核分裂していった。

アルファ崩壊:
アルファ粒子(ヘリウム4 の原子核で原子番号2、質量数4)を放出してより安定な核に崩壊すること。これによって原子番号が2 小さく質量数が4 小さい核に変化する。

理研では国際機関に申請したが、データ不足などを理由に認められなかった。

当時は、113 が崩壊してできたボーリウム(Bh)が1例の報告しかなく既知核と確定できないこと、また、観測数が 2個と少ないことを理由に認定されなかった。

その後、研究グループは、2008~2009 年にボーリウム(Bh)を直接合成し、既知核への到達が確かであることを実験的に示した。

2012年8月12日、3 個目の113 の合成に成功し、これまでの4 回のアルファ崩壊に続き2 回のアルファ崩壊を観測、最後は原子番号101 のメンデレビウム(Md)になったことを確認した。

この113 は、これまでに理研が確認した2個とは異なる新たな崩壊経路をたどったため、113 番元素の合成をより確証づけるものとなる。

Db は、自発核分裂かアルファ崩壊で崩壊することが知られている。
前回は自発核分裂を起こしたが、今回はアルファ崩壊でLrとなり、両方を観測したこととなる。

今回の合成で113 番元素の命名権が認められると、周期表に日本発の名前を、アジアの国として初めて書き加えることとなる。

1908年に当時第一高等学校教授であった小川正孝が第43番元素を発見し、ニッポニウム Nipponium: Npと命名した。
しかし後にそれは43番元素ではなかったことが判明し、ニッポニウムは幻の元素となった。
これは原子番号75のRheniumであった。

今回の113には、一度間違いとされた元素名ニッポニウムは使用できない。

理研では、今後は、未報告の119 番以上の原子番号を持った新元素の探索に挑戦し、超重元素探索の研究分野を牽引していくとしている。


 

 

 

 

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