中国税関総署は10月13日、9月の貿易統計を発表した。
全体の輸出は1863億5千万ドルで単月では過去最高となったが、前年比は9.9%増で、昨年の勢いはない。
輸入は1586億8千万ドルで2.4%増で低水準となった。
この結果、貿易収支は 276億7千万ドルの黒字で7カ月連続の黒字となった。
日本への輸出は 2.1%増の139億ドルにとどまり、輸入は161億ドルで 9.5%減となった。
中国経済の減速に加え、尖閣諸島国有化に反発した反日デモや、日本製品不買運動などが影響したとみられる。
新華社通信は、9月の輸出入は国内外の経済政策による需要回復で増加したが、近い将来の貿易の力強い回復は考えにくいとしている。
外国政府の金融緩和策とクリスマス商戦用の注文で先進国向けの輸出が増大したとしている。
中秋節・国慶節祭日(9月30日-10月7日)を前に駆け込みの輸出もあったとみられる。
1~9月の累計の輸出は14,954億ドルで前年同期比 7.4%増、輸入は13,471億ドルで 4.8%増、輸出入を合わせた貿易総額の伸びは6.2%増に止まった。
(今年の政府目標は10%前後の増加)
1~9月の主要地域別の貿易状況は以下の通り。
輸出入額 前年比 EU(最大の貿易相手) 4,110億ドル 2.7%減 欧州経済の不振 日本 2,488億ドル 1.8%減 9月に減少幅拡大 米国 3,554億ドル 9.1%増 ASEAN 2,889億ドル 8.1%増 ロシア 662億ドル 14.2%増 ブラジル 654億ドル 5%増
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9月28日の上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルで反発し、一時、1ドル=6.2835人民元を記録した。
2012/9/29 人民元、最高値更新
国慶節休暇明けの10月8日以降も人民元の上昇を続いている。
終値最高値は10月12日の6.2672人民元(弾力化前の8.92%高)。
10月15日には一時 6.2580人民元(弾力化前の9.08%高)の過去最高を記録した。
この間、中国人民銀行は基準値をむしろ引き下げたため、1%の上限に張り付く状態が続いたが、12日と15日には基準値が引き上げられた。
これは中国政府が人民元の上昇を認めるものとみられ、米国による為替操作批判を避けるものとの見方が出ている。
Romney候補は、「大統領に就任すれば中国を為替操作国に認定する」と述べている。
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中国国家統計局は10月15日、9月の物価を発表した。
消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.9%上昇した。
食品は前年同月比2.5%上昇で、豚肉は昨年の価格高騰の反動で17.6%下落した。
食品以外は1.7%の上昇だった。
CPIの1~9月平均は前年同期比2.8%の上昇となり、政府の今年の抑制目標である4%前後の上昇の範囲内に収まっている。
同時に発表した9月の工業生産者出荷価格(卸売物価)指数は同3.6%低下し、7カ月連続のマイナスとなった。
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