中国の環境保護部は10月19日、ダウと神華集団(Shenhua) の陜西省楡林市の石炭化学コンプレックスの環境評価書(17日受領)を公表した。
全文(中国語)は http://hps.mep.gov.cn/jsxm/xmsl/201210/W020121019511825884207.pdf でかなり詳細なもの。
ダウは2007年5月21日、中国の国有石炭最大手・神華集団との間で、陜西省楡林市にワールドスケールのCoal-to-Chemicals コンプレックスを建設するための詳細FS実施の契約を締結した。
2004年12月に神華集団との間でFS共同実施の契約を結んだ。
神華集団は1995年に設立された国有企業で、世界8大炭田の一つとされている神府東勝鉱区の開発・運営を担当しており、関連事業として鉄道、発電、貯炭設備、輸送設備を運営している。計画では "clean coal" technologies を使用し、石炭からメタノール、メタノールからエチレンとプロピレンを生産する。電解設備も建設し、苛性ソーダ、VCM、有機塩素等を生産する。
このほか、誘導品としてグリコール類、アミン、溶剤、界面活性剤、アクリル酸と誘導品、プロピレン誘導品などが計画されている。
ダウと神華集団は2009年11月3日、陜西省楡林市で大規模石炭化学JVの起工式を行った。
FSがほぼ終了し、中央政府の承認を求め申請する段階である。
JVにはダウ中国と神華集団子会社のChina Shenhua Coal to Liquids and
Chemicals Co. 及び地方政府が出資する。
2009/11/10 ダウと神華集団、陜西省で大規模石炭化学JVの起工式
本計画は2010年3月に国家エネルギー局から仮承認を受け、2012年9月に水資源部の黄河保護委員会から水資源承認を受けている。
中国政府の投資規則によると、正式な建設開始には環境保護局の環境承認を得たうえで、国家発展改革委員会(NDRC)の承認を得る必要がある。
コンプレックスの建設期間は2013年から2018年。
投資金額は、石炭部分が40億元(うち環境投資 4千万元)、化学品部分が1000億元(うち環境投資 50億元)となっている。
今回の環境評価書では、製品が若干変更となっている。
当初計画に入っていたクロルアルカリ(50万トン)とEDC、PVC(50万トン)が削除された。
今回 | 当初計画 | |||
石炭 | 1,300万トン | |||
化学品 (3ゾーン、 23製品) |
ハイドロカーボン(8製品) (石炭ガス化~メタノール合成~ オレフィンとアンモニアの生産) |
メタノール(Coal to Methanol) | 400万トン | 332万トン |
オレフィン(Methanol to Olefins) | 150万トン | 122万トン | ||
基礎プラスチック(5製品) | オキソアルコール | 127万トン (内訳非公表) |
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EO/EG | 40万トン | |||
LDPE | ||||
PP | ||||
n-プロパノール | ||||
クロルアルカリ | 0 | 50万トン | ||
EDC | 0 | 51万トン | ||
PVC | 0 | 50万トン | ||
機能性プラスチック(10製品) | エタノールアミン/エチルアミン | 172万トン (内訳非公表) |
21万トン | |
粗アクリル酸 | ||||
精アクリル酸 | 15万トン | |||
ブチルアクリレート | 20万トン | |||
オクチルアクリレート | ||||
ポリエーテルポリオール | 34万トン | |||
プロピレンオキサイド(PO) | ||||
プロピレングリコール(PG) | ||||
過酸化水素(PO原料) | ||||
グリコールエーテル |
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