Ineosは9月26日、欧州のエチレン原料用にエタンを輸入するため、供給契約と輸送契約を締結したと発表した。
同社は独立系石油・ガス業者のRange
Resourcesとの間で、2015年からエタンを購入する契約を締結した。
詳細は明らかにしていない。
欧州のエチレン事業の原料の多様化を図るもので、欧州のエチレンメーカーとしての競争力を強化するものになるとしている。
同社のエチレンプラントは下記の通りで、まず、ノルウェーのRafnes 工場で使用する。
1. Grangemouth, United Kingdom
2. Köln, Germany
3. Lavéra, France (50:50 JV: Naphtachimie between INEOS & TOTAL Petrochemicals)
4. Rafnes, Norway
Range Resources はMarcellus shaleを2004年から開発しており、2012年には全社の投資の86%を同地域で行っている。.
Ineosはまた、Sunoco 子会社のSunoco Logistics Partnersとの間で、エタンをペンシルバニア州Houstonから同州Marcus Hookまで輸送するため、パイプライン輸送契約とターミナルサービス契約を締結した。
ペンシルバニア州Houstonでは、MarkWest Liberty Midstream & ResourcesがMarcellus shaleのガスの集積、処理、分離、販売等の設備を建設中。
Marcus Hookには2011年12月に停止したSunocoの製油所があり、 ここでプロパン分離、貯蔵、出荷等を行う。
Marcus Hookからは船でデラウエア湾経由で欧州まで輸送する。
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Sunoco Logistics PartnersはMarcellus shaleのガスの輸送のため、MarkWest Liberty Midstream & Resourcesと組んで、Mariner East計画とMariner West計画を進めている。
Sunoco Logistics
は既存の石油製品のパイプラインを、液体エタン輸送パイプラインに改造し、能力を高める作業を行っている。
MarkWest
Liberty社は、Sunocoの東西のパイプラインをペンシルバニア州Houstonの処理場につなぐための液体エタンパイプラインを建設中。
Mariner East はペンシルバニア州Houstonから同州Marcus
Hookの停止中のSunoco製油所まで日量7万バレルのエタンとプロパンを輸送し、そこでプロパンを分離する。2015年上半期に使用可能となる。
Dow はRange Resources
との間で、ペンシルバニア州南西部のシェールガスからのエタンをダウの既存のルイジアナ州のコンプレックスに供給する長期契約を締結する旨の覚書を結んだ。
2011/4/26 ダウ、エチレンとプロピレンの拡張計画を発表
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SunocoはRefinery事業からの撤退を決め、ペンシルバニア州のPhiladelphiaとMarcus Hook の製油所の買い手を探した。
Carlyle Groupは2012年7月2日、Sunocoとの間で合弁会社 Philadelphia Energy Solutionsを設立することで合意したと発表した。
8月に停止予定であったSunocoのPhiladelphia Refinery をJVに移し、稼働を続ける。Carlyleでは、米北東部でのエネルギーのハブとして重要であるとともに、 Marcellus Shaleの天然ガスに関し、新しいビジネスチャンスがあるとしている。
2012/7/10 Sunoco、Philadelphia 製油所の停止を取りやめ
Marcus Hook refineryは2011年12月に停止した。
製油所としての買い手は見つかっておらず、Marcellus Shale の副産品を含む燃料の貯蔵、加工などの多目的プラントとして使用する。
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なお、Phillips 66のPhiladelphia のTrainer refinery complex も停止予定であったが、Delta Air Linesが買収した。
2012/5/10 Delta Air Lines、製油所を買収
Mariner Westはエタンをカナダのオンタリオ州Sarniaの石化コンプレックスにエタンを輸送する。
NOVA Chemicalsは2011年5月に、Range Resourcesとの間でMarcellus Shale Basinのエタンの長期購入契約を締結した。
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