韓国で原発停止相次ぐ

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10月2日午前8時10分に釜山市の新古里原発1号機が制御棒などの故障で原子炉とタービン発電機が止まり、発電を停止した。

新古里原発1号機は韓国で初めて建設された改良型の韓国標準型原発で、2011年2月28日に商業運転を開始した。

同日午前10時45分には、韓国南部の霊光原発5号機で蒸気発電機の水位低下が起こり、発電を停止した。
故障の原因を調査中。放射能漏れなど安全に問題はないとしている。

同機は2002年5月の商業運転開始後、17回の事故を起こしており、安全性に対する不安が高まっている。

市民団体は運転中止を要求している。
他方、原発の老朽に関係なく故障が頻発する中、同時多発的に発生したという点で、冬季の電力難に対する不安感が強まっている。


 

昨年も故障が相次いだが、今年に入って故障による原発の稼働中断は計7回となった。

本年2月9日に古里原発1号機ですべての外部電源が12分間、喪失する事故が起きたが、事業者の韓国水力原子力はこれを1カ月以上報告していなかった。

韓国の原子力安全委員会は7月4日、停止中の古里1号機の再稼働を承認した。

周辺自治体から廃炉要求が相次いだため、運営会社の韓国水力原子力が、IAEAに同機の安全点検を依頼、IAEAは「設備の状態は良好」との結果を明らかにしていた。

2012/3/14 韓国でも原発トラブル

蔚珍4号については、昨年9月の定修で伝熱管の亀裂を発見、定修を2012年4月まで延長していたが、その後、蒸気発生器自体の交換が必要と判明した。交換には1-2年が必要とされる。

新月城1号は本年7月31日に商業運転を開始したが、19日目の8月19日に制御棒制御系統の故障で停止した。

古里原発では上記の通り、発電所長が1号機の停止を外部に知られないよう関係者を口止めし、現場にいた60人以上の作業員も全員が事故の隠蔽に協力していたが、本年7月には古里原発の十数人の現場管理職が、廃棄された中古部品を協力会社に横流しし、新品のようにペイントを施した上で再び納品させ、見返りに賄賂を受け取ったとして逮捕・起訴された。

本年9月21日には、古里原発で非常時の消防対応などにあたる職員2人が、覚醒剤を使用したとして麻薬類管理法違反の疑いで逮捕された。このうち1名は古里原発の消防隊の事務室で覚せい剤を使用していたことが分かった。

野党の国会議員は9月26日、「原発の安全性が信用できない」として廃炉を求める声明を出した。

付記

韓国知識経済部は11月5日、原発の部品供給業者8社が外国機関の発行する品質保証書を偽造し、原発事業者の韓国水力原子力に部品を納入していたことが分かり、光州地検に捜査を依頼したと発表した。

偽造保証書で納入された部品は、ヒューズやスイッチなどの消耗品で、全体の98.2%が霊光原発5・6号機に使用された。

韓国水力原子力は霊光原発5・6号機の運転を同日から停止し、該当部品を交換する。
霊光原発3・4号機と蔚珍原発3号機にも数十個ずつ使われたが、交換対象の部品が少なく、運転中に取り換えられる。

 

韓国の原発一覧

    運転開始 原子炉形式 容量(kW)  
蔚珍 蔚珍
 1号
1988/9/10 加圧軽水炉 (PWR) 95万 2011/12 復水器の異常で停止
2012/8/23
異常を知らせる信号が点灯、停止
 2号 1989/9/30 加圧軽水炉 (PWR)  95万  
 3号 1998/8/11 加圧軽水炉 (PWR)  100万  
 4号 1999/12/31 加圧軽水炉 (PWR)  100万 2011/9 定修で伝熱管の亀裂発見、2012/4まで延長。
その後、蒸気発生器自体の交換が必要と判明(1-2年要)
 5号 2004/7/29 加圧軽水炉 (PWR) 100万  
 6号 2005/4/22 加圧軽水炉 (PWR) 100万  
新蔚珍
 1号
  KSNP (APR-1400) 140万 2012/5 着工
    2号   KSNP (APR-1400) 140万 2012/5 着工
  (3号)   KSNP (APR-1400) 140万 計画
  (4号)   KSNP (APR-1400) 140万 計画
霊光 霊光
 1号
1986/8/25 加圧軽水炉(PWR) 95万  
 2号 1987/6/10 加圧軽水炉(PWR) 95万  
 3号 1995/3/31 加圧軽水炉(SYSTEM80)  100万  
 4号 1996/1/1 加圧軽水炉(SYSTEM80)  100万  
 5号 2002/5/21 KSNP(OPR-1000)  100万 2012/10/2 蒸気発電機の水位低下し、停止
 6号 2002/12/24 KSNP(OPR-1000) 100万 2012/7/30 故障で自動発電停止
月城 月城
 1号
1983/4/22 CANDU  67.8万  
 2号 1997/7/1 CANDU 70万  
    3号 1998/7/1 CANDU 70万  
 4号 1999/10/1 CANDU 70万  
新月城
 1号
2012/7/31 KSNP(OPR-1000) 100万 2012/8/19 制御棒制御系統の故障で停止
    (稼働19日目)
    2号   KSNP(OPR-1000) 100万 建設中
古里

 

消防担当2名が覚せい剤使用で逮捕、1名は原発事務所で覚せい剤使用
古里
 1号
1978/4 加圧水型(PWR) 55.6万 2012/2/9 電源喪失で停止、1か月以上隠ぺい
 2号 1983/7 加圧水型(PWR) 60.5万 2011/6 継電器の設計ミスで停止
 3号 1985/9 加圧水型(PWR) 89.5万 2011/12  タービン発電機に過電圧で停止
 4号 1986/4 加圧水型(PWR) 89.5万  
新古里
 1号
2011/2 加圧水型(PWR) 96万 2012/10/2 制御系統の故障で停止
    (2号)   加圧水型(PWR) 96万 計画
    (3号)   加圧水型(PWR) 134万 計画
    (4号)   加圧水型(PWR) 134万 計画

KSNP:韓国標準型原子炉(韓国電力公社設計、加圧水型原子炉)

 



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