速報 山中伸弥教授にノーベル医学生理学賞

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ノーベル生理学医学賞を決定する機関のカロリンスカ医科大学(Karolinska Institutet) は10月8日、今年のノーベル医学生理学賞を、京都大学の山中伸弥教授と英ケンブリッジ大のSir John B. Gurdon に与えると発表した。

山中教授は2006年、マウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を入れることで、あらゆる組織や臓器に分化する能力と高い増殖能力を持つ人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り出した。2007年には人間でも同様のiPS細胞づくりに成功した。

Sir Gurdonは1962年、カエルの成体の細胞の核を卵子に移植すると、受精卵のような「多能性」をもつようになり、さまざまな細胞や組織に「初期化」できることを示した。

ノーベル賞ホームページは山中教授のインタビュー録音を載せている。
タイトルは教授の発言から、"My goal, all my life, is to bring this stem cell technology to the bedside, to patients, to clinics ..."

ノーベル医学生理学賞の受賞は1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授以来2人目。
今回の受賞で日本人の受賞者は、米国籍の南部陽一郎氏(2008年物理学賞)を含め19人。

      (敬称略)
物理学賞 (7人)   湯川秀樹、朝永振一郎、江崎玲於奈、小柴昌俊、小林誠、益川敏英、南部陽一郎
化学 (7人)   福井謙一、白川英樹、野依良治、田中耕一、下村脩、鈴木章、根岸英一
医学・生理学賞 (2人)   利根川進、山中伸弥
文学 (2人)   川端康成 江健三郎
平和賞 (1人)   佐藤栄作

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山中伸弥教授とSir John B. Gurdon は2009年にラスカー賞(基礎医学部門)を受賞している。
ラスカー賞は米国で最も権威がある医学賞で、受賞者の2割以上がノーベル賞を受けている。

ラスカー賞の日本人の受賞は6人目。

1982年   花房秀三郎(基礎医学研究賞)    
1987年   利根川進(基礎医学研究賞)   ノーベル賞
1989年   西塚泰美(基礎医学研究賞)    
1998年   増井禎夫(基礎医学研究賞)    
2008年   遠藤章(臨床医学研究賞)    
2009年   山中伸弥(基礎医学研究賞)   ノーベル賞

2008年には血中コレステロール濃度を下げる薬のもとになる物質「スタチン」を発見した遠藤章・東京農工大特別栄誉教授が臨床医学部門で受賞している。

2008/9/16 米ラスカー賞に遠藤章・東京農工大名誉教授




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