石油資源開発は、10月1日から8日まで、秋田・女川層タイトオイル(鮎川シェールオイル)の実証試験を行った。
10月10日、その結果を発表した。
10月1日、鮎川油ガス田・女川シェール層(深度1800m)に対し酸処理テスト(*)を開始
(*)既存坑井を通じ希釈塩酸等を含む酸性流体をポンプで注入
シェールオイルがあるとみられる岩盤の割れ目に詰まった石灰などを溶かす。
10月2日、流体の注入(総量:141.6kl)を終了、ガス・リフト(*)により、注入した流体の回収作業を開始
(*)高圧ガスを坑井内に放出し、坑内液体の比重を小さくし、ガスの膨張上昇エネルギーによって液体を地上に汲み上げる手法。
10月3日、地表に回収した流体中に少量の原油の混入を確認
10月8日、流体回収作業を終了
回収した流体総量:100.6kl
回収した流体に含まれた原油総量:31.1kl
その後、坑井を密閉し、資機材の撤収作業を行った。
同社では、酸を流し込んだ地層に地下水脈はないため外部に漏れ出すことはなく、酸も産業廃棄物として処理するため、環境上の問題はないとしている。
今後、取得データなどの詳細分析などを行う。
来年から水平方向に井戸を掘り進め、高い水圧で割れ目を破砕し(水圧破砕法:fracking)、原油を取り出せるかを調べる。経済性などを調べて生産への移行を検討する。
現時点で、鮎川油ガス田には約80万キロリットル(約500万バレル)程度のシェールオイルが採れる可能性があるとみている。
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石油資源開発は8月10日、米国テキサス州のシェールオイル開発プロジェクトに参入すると発表した。
買収した権益は、テキサス州アタスコサ郡、マクミュレン郡、ライブオーク郡のEagle Ford層の権益で、軽質原油、NGL、天然ガスを産出する。Marathon Oil が95%を有し、オペレーターとなっている。
石油資源開発では、Eagle Fordシェールオイル開発に参加して得られる最新の開発技術とノウハウを、今後の国内の非在来型石油ガスの開発において利用する考え。
2012/8/15 石油資源開発、米のシェールオイル開発に参加、日本での開発への技術習得目指す
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石油資源開発は本年7月20日、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共同で、秋田県由利本荘市にある同社の「鮎川油ガス田」で、タイトオイル(シェールオイル)に係るエンジニアリングスタディを3月から実施中であることを明らかにした。
シェールオイルの埋蔵が確認されているのは、「鮎川油ガス田」の地下1000~1500メートルにある頁岩(シェール)と呼ばれる粘土質の岩盤層。
鮎川油ガス田の貯留層は、船川層、女川層、グリーンタフなど複数の貯留層から構成されている。
共同スタディは、大規模なタイトオイル(シェールオイル)開発が進んでいるカリフォニア州Monterey層と同タイプで、タイトオイルの存在が期待される女川(おんながわ)層を対象とする。
同社によると、シェールオイルを含む硬いシェール層は、県内に分布しており、1989年に発見された鮎川油ガス田など所有する秋田県内3か所の油田でシェールオイルの存在も確認されていたが、これまで採掘する手段がなかった。
シェールオイルがあると分かった女川層
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