各社の中間決算がまとまった。
1) 化学会社
大半の企業の営業損益が前年同期を下回っている。
三菱ケミカルホールディングス、旭化成、住友化学、三井化学、東ソーで、石油化学・基礎化学の損益が激減している。
旭硝子の減益は電子部門の損益の激減による。
帝人は高機能繊維・複合材料が、トクヤマはシリコンの減益が大きい。
増益となった企業は少なく、増益幅も非常に小さい。
このうち、信越化学は半導体シリコンの大幅減益をシンテックの塩ビがカバーしたもの。
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2) 医薬会社
武田薬品工業以外は前年と比べ若干の変動である。
武田薬品の実績は以下の通りで、営業損益は大幅に減少した。
単位:百万円 (配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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当期損益は移転価格税制還付金(税金減 456億円)と還付加算金(特別利益 116億円)があり、若干の減少にと止まった。
2012/4/9 武田薬品の移転価格税制での更正処分で異議決定
営業損益増減の内訳
増収による利益増 | 279億円 | ||
販売費一般管理費増 | -947億円 | 特殊要因除くと-588億円 | |
研究開発費増 | -357億円 | ||
合計 | -1,025億円 |
同上 -666億円 |
販売費一般管理費には、TAP社統合、ミレニアム、ナイコメッド、URLファーマ買収に伴う無形固定資産とのれんの償却費 669億円が含まれている。
前期のこれは310億円のため、差引 359億円の損益悪化要因となる。今期から始まったナイコメッド社の分は315億円 。ミレニアムの無形固定資産償却(189億円)は2018年まで、ナイコメッドのそれ(228億円)は2026年まで続く。
なお、ナイコメッド社買収による増収効果は1,661億円となっている。
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