城南信用金庫の反原発キャンペーン

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城南信用金庫は11月9日、加藤寛慶應義塾大学名誉教授を名誉所長に迎え、城南総合研究所を設立した。

我が国の抱える諸問題について、グローバル資本主義などのお金の弊害を是正するために生まれた協同組織金融機関である信用金庫という観点から、独自な分析、提言をしていくとしている。

城南信金は原発事故を受け、昨年4月に脱原発を宣言、「原発に頼らない安心できる社会」を目指す方針を掲げる。

国民の間では、原発を止めると、電力が足りなくなったり、電気代が大幅に上がってしまうという「二つの懸念」があり、原発に関する正確な情報が行き届いていないとみており、主に原発のコストと電力不足をテーマに、専門家によるさまざまな切り口での分析を分かりやすい言葉で世の中に広げる「媒体」を目指す。

城南信金によると、総合研究所の設立についての東京新聞の記事(11月9日)を見て、小泉元首相から祝福の電話があったという。
小泉元首相は4月の城南信金の講演会でも、「原発を推進していくのは無理。原発の依存度を下げていくのが、これから取るべき方針」と訴えたという。

城南総合研究所設立に合わせ、第一弾レポート「原発を稼働すれば、電気料金は大幅に上がる?」を発表した。
「原発は即時廃止すべき、原発ゼロは国民経済の新たな成長発展につながる」という見解、メッセージを発信するもの。

加藤名誉所長もメッセージを寄せている。

報告は下記のブログに転載されている。
 http://blog.goo.ne.jp/coccolith/e/f46d08cbdd2365115de1415e4a2b800e

レポート要旨

1)原発がなくても、電気は十分に足りている

関電は電力不足を理由に大飯原発を再稼働させたが、同時に火力発電を停止した。
原発はなくても電力は十分だった。

家庭や企業で省エネ設備の買替えが進めば、消費電力の減少につながる。
猛暑の夏の午後のピーク時に電気を節約するだけで、電力には大幅な余裕が生じる。

大企業などでは、火力発電設備をはじめ、太陽光や風力などの新しい発電設備の増強に取組んでおり、我が国全体では、この1年間で原発約6基分の発電能力が増加している。また、東京都などが天然ガス発電事業の支援を表明するなど、今後とも電気は十分足りる見通しだ。

2) 原発を稼働し続けると、かえって電気料金は大幅に上がるはず

経産省は、1kwhの発電コストは、原発5~6円、火力7~8円、水力8~13円とする。
これには原発のある地域への巨額の交付金が含まれないなど、不正確な計算である。

立命館大学の大島堅一教授の試算では、原発10.25円、火力9.91円、水力7.19円となり、原発は最も割高。

更に、使用済み核燃料の問題がある。原発と六ケ所村の燃料プールに大量に保管され、数年で保管場所がなくなる。

使用済核燃料の処理ができないということは、保管費用・処理費用は無限大にのぼることになる。
原発を稼働し続ける場合、巨額の費用を計上することになり、電気料金を大幅に引上げなければならなくなる。

結論

原発のコストは恐ろしく高価で、将来大幅な電気料金の値上げにつながる発電方法である。
一刻も早く、とりかえしのつかない事故が再び起こる前に原発を廃炉にすることが、経済的にも正しい判断と考える。

加藤名誉所長メッセージ

 ただちに原発をゼロに!
  国民の手に安全な電気を取り戻し、日本経済の活性化を実現しましょう!!

原発はあまりにも危険で、コストが高い。ただちにゼロにすべき。火力発電だけで電力は十分に供給可能。

燃料費がかかるというが、日本の経常収支は黒字。仮に赤字になっても(円安になるので)大丈夫。円安になれば経済の活性化につながる。

9電力体制は、今では政府と癒着し、巨大な利権団体をつくり、マスコミ、国家をあやつるなどの弊害が明らか。

太陽光や風力、地熱、バイオマスなどの発電技術や節電技術、蓄電池などの技術や水素を用いた新たな配送方法などの技術革新で、原発依存の電力会社体制も近い将来時代遅れになり消滅する。

このまま原発を再稼働しても、日本は活性化しない。脱原発に舵を切れば経済の拡大要因になる。
脱原発は雇用拡大につながる。

直ちに原発をゼロにすべきだ。国鉄改革のように電力独占体制にメスを入れ、真の自由化を実現し、国民の手に安全な電気を取り戻し、日本経済の活性化を実現しよう。





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