中国の西気東輸 第三パイプライン

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中国国家発展改革委員会(NRDC)は12月19日、2012年に新たに着工した西部大開発重点プロジェクトは22件、投資総額は5778億元に達することを明らかにした。

鉄道、道路、電力関連などがほとんどだが、その中に「中衛-貴陽天然ガスパイプライン」と「西気東輸第3パイプライン」が入っている。
いずれも中国西部及びその西の中央アジアの天然ガスを中国中部および東部に送るパイプラインである。

中衛-貴陽天然ガスパイプラインは西気東輸第1及び第2パイプライン で送られた天然ガスを寧夏自治区の中衛から重慶経由で貴州省の貴陽まで送るもの。

西気東輸第3パイプラインは新疆ウイグル自治区のコルガスから寧夏自治区の中衛を経由し、広東省福州に天然ガスを送るもの。

          第3西気東輸の 中衛以東の詳細ルートは不明。

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2000年3月東部沿海地区の経済発展から取り残された内陸西部地区を経済成長軌道に乗せるため、「西部大開発」が全国人民代表大会で正式決定された。

その目玉が、「西気東輸」、「南水北調」、「西電東送」、「青蔵鉄道」など。

西気東輸」は西部の天然ガスを東部に輸送するもので、新彊のタリム盆地から甘粛、寧夏、陝西、山西、河南、安徽、江蘇、浙江、上海と続く総延長4000キロのパイプラインを建設、2005年に開通した。

2006/7/6 中国、今年の西部開発12事業を発表

その後、西気東輸第二パイプラインが建設された。
新疆ウイグル自治区のコルガスから寧夏自治区の中衛を経由し、
広州から香港までの5000kmのパイプラインで2011年6月に稼働した。
珠江デルタ、長江デルタなど14省・自治区・直轄市と香港に天然ガスを輸送する。

香港には海南島沖の崖城(Yacheng) ガス田から780kmの海底パイプラインで送られている。
2012/12/24 BP、南シナ海の天然ガス権益を売却 

付記

2012年12月30日、西気東輸第二パイプラインの支幹線が広州から広西チワン族自治区南寧に到達し、幹線と支幹線が全て完成した。

これは国内のタリム盆地などの天然ガスを輸送する第1ラインとは異なり、中央アジアの天然ガスを陸上輸入するために建設する戦略インフラとなる。

中国とカザフスタンは2007年8月に政府間協定に調印し、2期に分けて天然ガスパイプラインを建設することとした。
第1期はカザフスタン国内を通過する中央アジア天然ガスパイプライン(南ルート)の建設で、ウズベキスタンとカザフスタンの国境シムケントから
新疆ウイグル自治区のコルガスまでの全長1,300キロで、2009年12月に竣工した。

第2期はカザフスタン国内のパイプラインであり、西部のベイネウからシムケントまでの1,400キロで、2011年9月に着工した。



西気東輸第三パイプラインは同様に、新疆ウイグル自治区のコルガスから寧夏自治区の中衛を経由し、河南省、湖北省、湖南省、江西省、福建省、広東省を経由し、福州までの総延長は7378キロメートルで、天然ガスの年間輸送量は300億立方メートル。

この完成により、中央アジア及び中国西部の天然ガスが中国全土に送られることとなる。

このほかに、四川省の普光から上海まで通じる全長1,700キロに達する天然ガスパイプライン「川気東送」も完成している。

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中央アジアと中国とは石油のパイプライン(カザフスタン北部を経由)でも結ばれている。

 

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