東シベリア太平洋石油パイプライン(ESPO)が12月25日、ナホトカ近郊までの全線で稼働した。
スコヴォロディノとナホトカ近郊のコズミノ港を結ぶ第2期工事がこのほど完了し、25日に稼働した。
終着ターミナルについては、当初、ペレヴォズナヤとコズミノの2案があった。(下記地図には前者が載っている)
最終的にコズミノとなり、2009年12月、タンカーへの原油積み替え設備などを備えた埠頭が完成した。
パイプライン全線開通まではスコヴォロディノで鉄道貨車に積み替えて輸送することとなり、同年12月28日、プーチン首相立会いでタンカーへの原油積み出しが開始された。
年間の輸送能力は従来の鉄道輸送に比べ2倍の3000万トンとなる。
アジアでの需要拡大をにらみ、中期的に5000万トンまで増やす計画で、プーチン大統領は25日「ロシア極東のインフラが持つ可能性を飛躍的に高める」と語った。
東シベリア産の原油を極東に輸送する東シベリア太平洋石油パイプライン(ESPO)は全長4740キロメートル。
東シベリアのタイシェトと中間地点のスコヴォロディノをつなぐ区間が先に完成したが、ここから中国の大慶を結ぶパイプラインが2009年末に完成し、2011年1月1日から、同パイプラインを通して年間1500万トンの原油がロシアから中国に供給されている。
中国は2009年2月、ロシアとの間で政府間協定を結んだ。
中国開発銀行がロシア国営石油会社 Rosneft に150億ドル、東シベリア太平洋パイプラインを運営するTransneftに100億ドルを低利で融資する見返りに、Rosneft は2011年から20年間、毎年15百万トンの原油の供給を行い、Transneftはパイプラインを中国に延長する。
CNPCは2009年7月、ロシアからの原油処理のため、遼陽市の製油所の拡大(11%) を開始したと発表した。
2009/7/22 CNPC、ロシアからの原油用に遼陽市の製油所を拡大
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独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は2010年10月、ロシアのイルクーツク石油と共同で探鉱調査を行っているイルクーツク州北部のセベロ・モグジンスキー(Severo-Mogdinsky) 鉱区で可採埋蔵量が1億1000万バレルと想定される大規模油田の試掘に成功したと発表した。
2010/10/25 石油天然ガス・金属鉱物資源機構、東シベリアで大規模油田を確認
JOGMECは2012年6月、東シベリアの油田を、ガスプロム・ネフチと共同開発すると発表した。
イルクーツク州北部に位置するイグニャリンスキー鉱区で、埋蔵量1億バレル級の中規模油田。2013年末までに地質調査や試掘などを行い、2010年代後半から日量数万バレルの生産を見込んでいる。将来的に日本企業が49%の権益を獲得する。
同油田から採掘した原油は、東シベリア太平洋石油パイプラインでコズミノまで運び、日本に輸送する。
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