NHK クローズアップ現代 "コンビナート危機"

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1月16日のNHKクローズアップ現代は、"コンビナート危機"ー急増する事故なぜー、を放送した。

この10年で10倍に急増している"コンビナート事故"。去年9月の姫路の事故では、消防隊員1人が死亡し、周辺住民の生活を脅かした。経済産業省は、去年11月に審議会を開き、この喫緊の課題の検討を始めた。笹子トンネルの事故などインフラの老朽化が指摘される中、同じく高度経済成長期に作られ、産業基盤として日本経済を下支えしてきたコンビナートも設備の経年劣化が懸念されている。さらに、効率化の中で進められた分業が技術継承を阻み、競争力維持のために高度・複雑化した製造方法にヒトの技術力が追いついていない現状も浮かび上がってきた。対応に模索する現場を見つめ、これからの安全のあり方について考える。 (番組紹介から)

付記  放送全文 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3294_all.html


放送では日本触媒や三井化学の事故を紹介し、事故の原因として2つを取り上げた。

第一は、老朽化問題。

高度経済成長期に相次いで建設されたコンビナートは、半世紀あまりが経過した今、一斉に老朽化が進行している。

法律では爆発や火災の恐れのある設備のうち、特に痛みやすい場所についてのチェック項目を決めているが、それ以外は各社の判断で行うことになっている。
ある社の社員が、老朽化対策の必要を訴えても、予算がカットされ、
必要なメンテナンスが全ては行えていない実情を証言している。

第二は技術力の低下。
創業時のベテランが退職し、技術力が低下して危機に対応できない例として、三井化学の岩国大竹工場の例を挙げている。

この問題は、2012年 回顧と展望 (2012/12/25) の後半部分で取り上げた。 


番組では老朽化対策として3つの例を取り上げている。

メーカーでつくる協会では、各社で見つけた腐食箇所などのデータベースをつくり、他社が活用できるようにした。
ガスの配管はこれまでは均一に老朽化すると思われていたが、ガスの流れなどから特定箇所が問題であることが分かった例もある。

四日市市では産業支援の一環として、老朽設備を更新した設備について、固定資産税を最大で5年間、半額にしている。
この制度をきっかけに、劣化が進んでいたボイラーを新しくするなど、7つの施設で更新が行われた。

日本ゼオンでは水島工場に統合生産センターを新設、オペレーターの作業内容の最適化を図るとともに、ベテラン技術者からの聴取で技能継承を図っている。




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