モザンビークの天然ガス開発

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三井物産は2012年12月21日、世界有数のガス田、モザンビークのRovuma Offshore Area 1 鉱区での海底天然ガス生産設備とLNGプラントの基本設計作業を発注したと発表した。

この鉱区の最大の権益を持ち、オペレーターを務めるAnadarko Petroleumは同日、隣接するArea 4のオペレーターのEni との間で共同開発の覚書を締結したと発表した。両グループは天然ガスの開発は連系はしつつも個別に行なうが、LNG生産設備建設は共同で行う。

  発注先 概要
Area 1 海底天然ガス田 Technip USA, Inc.
Subsea 7 Saipem SAの企業連合
McDermott及びAllseas USA の企業連合
推定可採資源量
 17~30兆立方フィート超
LNGプラント 日揮びFluor Transworld Servicesの企業連合
CB&I 及び千代田化工建設の企業連合
International Bechtel
LNG年産2,000万トン
   当初LNG年産500万トン×2系列
   追加2系列
  (Area 4との合計)
生産開始 2018年(予定)

両グループはLNGプラントについても独自で実施する考えであったが、モザンビーク政府が重複による全体のコストアップを懸念し、圧力をかけたといわれている。

東京ガス、中部電力、大阪ガスなどはそれぞれ、モザンビークで開発中のガス田からの調達を目指し、Anadarkoや三井物産と交渉に入ったとされる。

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三井物産は2008年2月、米国大手独立系石油・ガス開発会社 Anadarko Petroleumがモザンビークに保有する石油・天然ガス探鉱鉱区(Area 1)の権益の一部を取得することで同社と合意した。

権益保有者は以下の通り。

  当初 現在
Anadarko (オペレーター) 76.5% 36.5%
Mitsui E&P 20%
モザンビーク国営石油会社 15% 15%
Bharat Petroleum(インド) 10%
Videocon (インド) 10%
Artumas Group(現 Wentworth Resources) 8.5%
PTT Exploration & Production (タイ)   8.5%

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モザンビークとタンザニアの国境を流れるRovuma川の河口と沖合に世界最大規模のガス田が発見され、開発が始まった。

モザンビークの海底ガス田の開発は6区に分けて行われており、三井物産はArea 1に権益を持つ。
LNGプラントはPalmaの南に建設される。


各鉱区の権益保有者は以下の通り。ENHはモザンビーク国営石油会社。

Area 4 Eni 70%、ENH 10%、ポルトガルGalp 10%、韓国Kogas 10%
Area 2 Statoil (当初 Norsk Hydro)90%、ENH 10%
 Statoil 65%、英Tullow Oil 25%、ENH 10%
Area 5
Area 3 Petronas 90%、ENH 10%
Area 6

            Norsk Hydroの石油部門は2007年にStatoilに吸収された。

付記

国際石油開発帝石は4月2日、Area2&5鉱区の25%の権益をノルウェーのStatoilから取得したと発表した。

なお、モザンビークの陸上ガス田はオスロに上場しているArtumas Group(現 Wentworth Resources)が権益を持つ。

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タンザニア側では英BGと米Ophir Energyの連合、Statoil とExxonMobile連合等が開発を行っている。




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