クウェートの石油化学の現状

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1.クウェート国内

クウェートの石油化学を担当するPIC (Petrochemical Industries Company K.S.C ) は1963年に国営会社として設立され、1980年のクウェート国営石油(KPC) 設立で同社の子会社となった。

1995年にDow Chemical(当時のUCC)とのJVでEquate Petrochemical Company を設立した。

2006/5/31 湾岸諸国の石油化学ー1 クウェート&バーレーン



その後、改組や増設で、現状は下記の通り。


 

2. MEG/PET JV (海外)

  PICとDow Chemical は2004年にDowのMEG、PTA、PET事業をJV化した。

ダウの "asset light" 戦略の適用第1号である。

  両社は2つの50/50JVを設立した。

  (1) MEGlobal 

 MEG、DEGの製造販売で、ダウのカナダの2工場 (合計能力100万トン)を移管した。他社製品の販売も行っている。

Fort Saskatchewan EO/EG plant  340千トン
Prentiss I   EO/EG plant         310千トン
Prentiss II EO/EG plant              350千トン

  (2) Equipolymers  現在はMEGlobal の100%子会社

工場 PTA PET  
Schkopau, Germany   335千トン
 
No.1:160千トン
No.2:175千トン
Ottana, Italy (190千トン) (160千トン) 売却

イタリアの工場は2010年7月、同地で発電所と用役工場を運営しているOttana Energia とタイのIndoramaのJVに売却した。

3. Dow Chemical とのGlobal 石化JV (海外) (破談)

   経緯については、2012/5/25     Dow、石化JV中止問題での調停で勝利、21.6億ドルを獲得


4. 中国 Sinopecとの
石油精製・石油化学JV (建設中)

  立地:広東省湛江市東海島
  出資:50/50

  製品:

原油精製   15,000 千トン
エチレン 1,000  
PE 460  
PP 750  
BTX 710  
MEG 400  
EO 38  
EVA 200  
ブタジエン 150  


2011/3/31 中国の国家発展改革委員会、
Sinopec-KPCの石油精製・石油化学計画を認可

 

5.ベトナム

  製油所・石油化学コンプレックス  2013/1 発注内示

社名:Nghi Son Refinery & Petrochemical Limited Liability Company
立地:タインホア省ニソン経済区
出資:出光興産 35.1%
    三井化学  4.7%
         Kuwait Petroleum International (KPI) 35.1%
         PetroVietnam  25.1%
設立:2008/4
能力:石油精製 20万バレル/
   パラキシレン 700千トン/
商業生産開始:2017年

2008/8/25 ベトナム最大の石化コンプレックス、9月に建設着工 後半部分



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