アルジェリアで1月16日、アルカイダ系のイスラム武装勢力が英BPなどが運営するIn Amenasの石油関連施設を攻撃し、外国人を人質にとる事件が発生した。報道によると、人質には日揮の従業員5人が含まれている。
武装勢力は、マリに軍事介入を行っているフランスに対しアルジェリアが自国空域の使用を認めたことに対する報復として、アルジェリアのガス関連施設を攻撃したとしている。
武装組織はフランスに対し、人質の安全と引き換えにマリ北部での軍事作戦を停止するよう求めている。
マリでは2012年4月に北部の遊牧民のアザワド解放民族運動(MNLA)が北部を掌握し、独立を宣言したが、7月にイスラム過激派がMNLAを放逐し、北部支配を固めた。
テロの温床となるのを恐れた西アフリカ諸国経済共同体は過激派を北部から掃討するため部隊派遣を決定、国連安保理が2012年12月にこれを承認した。
しかし、過激派が中部の政府軍要衝を攻略したため、フランスが軍事介入し、アルジェリア政府は1月13日、仏軍の領空通過を認めた。
In Amenasはアルジェリア有数のガス田で、アルジェリア国営炭化水素公社(Sonatrach)とBP、Statoilが共同で運営にあたっている。
日揮は2011年5月に、In Amenas天然ガス田の生産レベルを維持するための2億1300万ドル相当の契約を運営3社と締結した。
BPにとっては、In AmenasとIn Salahがアルジェリアでの重要プロジェクト。
In Amenasでの1日当たりの生産量を今後12年間3000万立法メートル程度に維持する狙いで圧縮プラントを建設することなどが含まれ 、2013年8月完了の予定であった。
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日揮は1969年にアルジェリアの地中海沿岸のArzew製油所建設を受注して以来、同国で事業展開している。
2001年8月にアルジェリア国営炭化水素公社(Sonatrach)とBPからIn
Salahでのガスプロジェクトを受注した。
1997年11月にKBRとのJVで本プロジェクトの概念設計を受注していた。
2009年6月にSonatrachからGassi Touil での大型ガス処理設備建設プロジェクトを受注。
2011年5月に本件 In Amenas天然ガス田の業務を受注。
2011年8月には、Groupement Bir SebaがBir
Seba地区で計画している原油処理プラント建設プロジェクトを受注した。
16の生産井から産出される原油の収集設備、原油とガスの分離を含む原油処理設備、ならびに製品を送るパイプラインを建設するプロジェクトで、Groupement Bir SebaはSonatrachが25%、Petrovietnamが40%、PTTが35%出資の3社JV。
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