資源エネルギー庁は1月29日、渥美半島から志摩半島の沖合(第二渥美海丘)において、海底面下のメタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出す、世界初の海洋産出試験を実施すると発表した。
事前掘削作業として2012年2月から3月には生産井やモニタリング井の坑井掘削を行い、6月から7月にはメタンハイドレート層から圧力を保持したコアサンプル(地質試料)を含むコアの採取作業を行った。
2012/1/18 愛知沖でメタンハイドレート掘削スタート
これをもとに、メタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出す。
試験時期は2013年1~3月末の予定で、石油天然ガス・金属鉱物資源機構が事業主体となり、石油資源開発がオペレーターとなる。
地球深部探査船「ちきゅう」を使用して行う。
地球深部探査船「ちきゅう」が清水港を出港し、1月28日、試験地点にて準備作業を開始した。準備作業終了後、メタンハイドレートを分解し天然ガスを取り出す試験を実施する。
2013年度には本試験の結果解析作業等を実施し、商業的産出のために必要な技術の整備に向けて取り組んでいく。
付記
この地域のメタンハイドレートは海底深くにある「砂層型」である。
日本海側には海底数メートルから数十メートルの浅いところに「表層型」が分布する。政府は近くこれも調査する。
メタンハイドレート海洋産出試験の概念図 |
メタンハイドレートの調査は、石油や天然ガスと同様に、音波を使った物理探査(反射法地震探査)によって実施される。
この調査データからBSR(海底擬似反射面:Bottom Simulating Reflector)と呼ばれる反射面を確認することによって、地層中のメタンハイドレートの存在を推定する。
今回の試験場所は渥美半島から約80km、志摩半島から約50kmの地点(第二渥美海丘)で、濃集帯が存在している。
資料:メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム |
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