ブリヂストンは2月1日、中国メーカーに対する商標権侵害訴訟に勝訴したと発表した。
広州市宝力輪胎有限公司(Guangzhou Bolex Tyre、宝力タイヤ)が同社の登録商標である「BRIDGESTONE」に類似した「GEMSTONE」を使用してタイヤを生産・販売した行為に対し、2010年3月に天津市浜海新区人民法院に提訴した。
宝力タイヤは広州国際集団の子会社の広州広橡企業集団(広州Rubber)が75%、香港宝盛発展が25%出資するJVで、1992年に設立され、宝力(BOLEX)、捷通(GEMSTONE)、東尼(TONY)の3ブランドでタイヤを販売している。
広州国際集団は、タイヤとソーダ灰を主とする企業集団で、3つの子会社を持つ。
・広州華南橡膠輪胎(Guangzhou South China Rubber Tire):万力ブランドのタイヤ
・広州広橡企業集団(Guangzhou Rubber Enterprise Group):フルレンジのタイヤ
・広東南方鹼業 (Guangdong Southern Alkali Industry) : ソーダ灰等
宝力タイヤの商標とブリヂストンの商標対比
一審でのブリヂストンの勝訴判決の後、宝力タイヤは天津市第2中級人民法院に控訴したが、2013年1月にブリヂストンの主張が認められ、控訴が棄却され、ブリヂストンの勝訴判決が確定した。
宝力タイヤに対して「GEMSTONE」を表示したタイヤの生産・販売の停止及び損害賠償金の支払いなどが命じられた。
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ブリヂストンはこれまでも中国で商標権侵害訴訟で成果を挙げている。
同社は山東三泰の「ROCKSTONE」ブランドのタイヤは商標権侵害等に該当するとして、
2008年4月に、中国上海市第一中級人民法院に提訴した。
第一審では請求が認められなかったため、2008年10月に上海市高級人民法院に上訴した。
併せて、山東三泰のオランダの販売代理店を相手取り、オランダで商標権侵害で提訴するなど、積極的な対応を実施した。
この結果、2008年11月にオランダの販売代理店との間で「ROCKSTONE」タイヤの販売の停止等を含む内容での和解に達し、2008年12月には、山東三泰との間で「ROCKSTONE」タイヤの製造販売の停止等を含む内容での和解に達した。
また、杭州普利斯帝橡胶(BridgeSteel Rubber) の「BRIDGESTEEL」ブランドのコンベヤベルトが商標権侵害等に該当するとして、2007年
9月に中国杭州市中級人民法院に商標権侵害で提訴した。
裁判では同社の主張が認められ、「BRIDGESTEEL」及び「普利斯帝」の使用停止と金型の廃棄、「普利斯帝」の企業名称としての使用停止等の命令が下された。
判決では、商標権侵害の有無の判断では、商標の「形」と「音(サウンド)」と「義(意味)」の3つの要素が重要とし、侵害を認めた。
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ブリディストンでは、「商品やサービスに関する模倣行為については、お客様の安心・安全を最優先することを基本とし、関係当局への通報等や訴訟などを通じて厳正に対処していくことで、今後ともブランド価値の維持・向上を図っていく所存です」としている。
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