中国、パキスタンのグワダル港の運営権を取得

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パキスタン政府は1月30日、パキスタン南西部のGwadar港の港湾管理権をシンガポールのThe Port of Singapore Authority (PSA)から中国のChina Overseas Port Holding Companyに移譲することを閣議決定した。

この調印式が2月18日、イスラマバードの大統領府で駐パキスタン中国大使らが出席して行われた。

Gwadar港は南アジアと中東を結ぶインド洋の戦略的要衝で、中国は中東やアフリカから石油を運ぶための拠点を確保したことになる。
今後、原油貯蔵設備や製油所を建設するとされる。

なお、以前からGwadar港からパイプラインでカラコルム・ハイウェイを通って新疆ウイグル自治区の喀什市(カシュガル、Kashgar)まで結ぶKashgar Corridor構想があり、これが実現すると、中東の原油を喀什から国内のパイプライン網を通じて中国各地に送ることが出来る。

インドは中国の軍港化を懸念しているが、パキスタン外務省は 「懸念するいかなる理由もない」としている。

パキスタンは中国に対して、グワダル港に海軍基地を建設し、中国海軍を駐留させるよう求めたとされるが、中国政府は同提案を検討しなかったと表明した。

このGwadarは面白い歴史をもつ。

1783年に対岸のオマーンの宮廷で内紛が発生し、Saiadという王族が追放された。当時パキスタンを支配していたカラート藩王国のハーンがSaiadにGwadarを与えた。

その後、1797年にSaiadがオマーンの国王に即位したため、Gwadarはオマーンの飛び地となった。
1958年にオマーンがGwadarをパキスタンに売却、飛び地は解消した。
 

Gwadar港は石油の豊富な中東、資源の豊富な中央アジア諸国、人口の多い南アジアの各地域の十字路として戦略的に重要な場所にある。
大規模積み替え港として、また内陸の中央アジア諸国、アフガニスタン、中国西部のための海上輸送のハブを目指し、2002年に建設を開始し、2007年に開港した。

港の建設は中国が行い、当初の建設費の80%の248百万ドルを中国が低金利融資している。

港の管理権(40年間)は経験豊富なシンガポールのPSAが取得した

港を管理する会社には、PSAが60%出資、残りをパキスタンの金融会社Aqeel Kareem Dedhi Group とパキスタンの物流会社National Logistic Cellが20%ずつ出資している。

しかし、港はまだ完全には機能しておらず、追加の投資が必要だが、PSAは契約上の義務の履行が困難として、中国に譲渡することを決めた。(撤退の場合は多額の違約金の支払いが必要となる。)

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中国は原油の安定的確保のため、いろいろの手を打っている。

現在、マラッカ海峡を通らずに、ベンガル湾からミャンマー領土を横断して昆明に抜ける石油と天然ガスのパイプラインを建設している。

 

 

 

 

 

 





ミャンマー西部のベンガル湾に面したチャウピュー近郊のマデ島にガス集荷基地と石油タンカー専用港を建設し、沖合いで出る天然ガスと、マデ島で陸揚げした原油をマデ島 から国境の雲南省端麗を経由して昆明に送り、精製する。

事業主体となる企業には、中国石油天然気集団(CNPC)が50.9%を出資。ミャンマー側は国営石油ガス企業(MOGE)などが49.1%を保有する。総事業費は石油パイプラインが15億ドル、天然ガスは10億4935万ドル。

2009年10月31日、マデ島で着工式が行われた。



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