BASFと新疆美克化工(Xinjiang Markor Chemical Industry )は3月5日、新疆ウイグル自治区の庫爾勒市 (Korla) でブタンジオール(BDO)とポリテトラヒドロフラン(PTMG、商品名polyTHF)を製造する2つのJVを設立すると発表した。
2015年に生産開始する予定で、能力はBDOが年産10万トン、polyTHFは年産5万トン。
PolyTHF はスパンデックスやポリウレタンの原料。BDOはTHF用の他に、エンプラのPBTやポリウレタン、溶剤などに使われる。
新疆美克化工はMarkor
Investment Groupの子会社で、庫爾勒市周辺の天然ガスを利用し、アセチレン、メタノール、
ホルムアルデヒド、BDO、THFを製造販売している。
同社のBDOは第一期が6万トンで2008年5月にスタート、第二期10万トンが最近完成した。合計能力16万トンは中国最大。
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BASF の現在のBDOの合計生産能力は535千トンで、ドイツ Ludwigshafen、米国 Geismar、上海 Caojing、マレーシア Kuantan、千葉の5工場で生産している。PolyTHFの生産能力は 250千トンで、Ludwigshafen、Geismar、上海 Caojing、韓国蔚山で生産している。
BDO THF PolyTHF Ulsan (Korea) X X ○ 三菱化学のブタジエン法BDOとTHFの技術
→2009年停止
2009/1/20 BASF、韓国のBDO、THFプラントを永久停止Ludwigshafen (Germany) ○ ○ ○ Feluy (Belgium) X 2005年停止 Geismar (USA) ○ ○ ○ Caojing (China) ○ ○ ○ 当初、BDOを経由せず、ブタン→THFプロセス
2007/10/18 BASF、上海でのTHF製造再開Kuantan (Malaysia) ○ ○ BASF Petronas 千葉 ○ BASF千葉:BASF 67%(当初は50/50の出光BASF) 四日市 X X BASFジャパン、2006年停止
永久停止した蔚山工場は三菱化学のブタジエン法BDOプロセスのライセンスを受け、三菱化学がTHFを一部引き取る契約を結んでいた。
(ブタジエンをパラジウム触媒と酢酸で 1,4-ジアセトキシ化した後、還元、加水分解するもの)
上海Caojing 工場では、当初はBASFが新たに開発したブタンから直接THFを生産
(BDO工程を省略)するという独自の技術を初めて採用することとした。
しかし、THF
プラントは「技術的理由」で停止し、プラントを塩漬けした。
同社はその後、無水マレイン酸とBDOの設備を追加し、生産を再開した。
他の工場では、アセチレンとホルムアルデヒドからBDOを生産するプロセスを使用している。
今回のBASFのJVも同様と思われる。
参考
サウジでは Sipchem がマジョリティのInternational Diol Company が無水マレイン酸からBDO、THFを生産している。
2008/2/29 サウジ Sipchem の石油化学計画
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