Dow Chemical は3月14日、昨年12月の投資家フォーラムで説明したポートフォリオマネジメントの推進案(今後 24か月で非中核事業資産を10億ドル売却)を更に推し進め、1年半で15億ドル以上の資産を売却すると発表した。
更に、売りに出す事業として、PP Licensing and Catalysts 部門と Plastics Additives 部門を挙げた。
PP Licensing and Catalystsは下記のPP技術、触媒を扱っている。
UNIPOL PP 技術
SHAC Catalyst
CONSISTA D7000 Donor
Advanced Donor Technology (ADT)
(Donorは触媒性能を向上させる添加物で、下記組み合わせで使用)
ダウは資産価値を最適化し、利益が高く成長が早い分野で主導的地位を確保するため諸手段を講じている。
2009年以降、非中核事業の売却で約80億ドルの収入を得ており、本年に入り、Plastics
Additives 部門のメチルスズ安定剤と固体潤滑剤事業をPMC
Group に売却し、日本ユニカーの50%持株も売却した。
2013/2/6 Dow、日本ユニカー持株を売却
Liveris
CEOは、同社では現在、全ての事業の見直しを行い、事業価値の最適化を図っており、戦略に合わないものや採算が合わないものを洗い出していると述べた。
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同社は2008年にRohm & Haasの買収を決め、その資金のソースとしては K-Dow Petrochemicals(Dowの石油化学部門を分離し、KuwaitのPICとの50/50JVとするもの)のPIC支払額を充てることにしていた。
しかし2008年末のJV設立間際にPICが撤退を決めたため、Dowは資金繰りに窮した。
最終的には借り入れや事業売却収入によりR&Hの買収を行ったが、債務は急増、格付けは低下し、史上初の減配を行った。
なお、PICのK-Dowからの撤退に対する損害賠償を巡る争いについては、国際商工会議所の国際仲裁裁判所は2012年5月、PIC側に責めがあると認定し、PICに対しDowへの21.6億ドルの損害賠償支払いを命じた。
金利と費用の額が未定であったが、国際仲裁裁判所は2013年3月4日、金利と費用を318百万ドルと決めた。これを加えると合計24.8億ドルとなる。
これらの経緯については 2012/5/25 Dow、石化JV中止問題での調停で勝利、21.6億ドルを獲得
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Dowでは昨年1年間で40件程度の計画中止、工場閉鎖を行い、コストダウン、支出削減、利益率向上を図っているが、今後の非中核事業売却や、PICからの損害賠償の入金などで、同社の資金繰りは急激に改善する。
同社では資金使途について、以下の通り説明している。
1)借入金の返済
借入金は210億ドル残っている。
2)株主への配当増
3)成長のための投資
A) 原料の有利性を利用した石化事業
・シェールガス利用のガルフコースト石化事業
・サウジ石化計画(AramcoとのJV:2015年下期生産開始)
B) 高収益事業
AgroSciences、Electronic Materials、Performance Packaging など
なお同社は、成長分野であっても、代替エネルギーのような、市場変化や政府の方針により大きく変動するような分野の計画からは撤退するとしている。
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本年2月初旬に、DowがLanxessを買収するとの噂が流れ、Lanxessの株価が上がった。
Dowではこれに対し、No comment としたが、合わせて、余剰資金は借入金返済と株主への配当に使うと述べた。
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