石油資源開発(JAPEX)は3月4日、マレーシアの国営石油会社 Petronasとの間で、Petronasが推進するカナダBritish Columbia
州でのシェールガス開発・生産プロジェクトおよび同州西海岸で検討中のLNGプロジェクトに参画することで基本合意したと発表した。
同州North Montney地域におけるシェールガス鉱区の10%権益を取得するとともに、同州西海岸におけるPacific Northwest LNG
Project(生産量1,200万トン/年)の10%権益と同権益比率相当のLNG(120万トン/年)を引き取る権利を併せて取得する予定。
石油資源開発はPetronasと組んで、イラク南部のGharaf油田を開発している。
2009/12/14 イラクの石油第二次入札で石油資源開発が落札
海外事業シフトを進める石油資源開発と、日本向けのLNG販路を確保したいPetronasの思惑が一致した。
計画概要は以下の通り。
1)シェールガス鉱区
North Montney地域のAltares、Lily、Kahta鉱区。
現在、Petronasが天然ガスを生産し、AECOハブ(西カナダの主要ガス市場)で販売中。
2)LNG計画
Prince Rupert 市のLelu島で年1,200万トンプラントを計画しており、2018年末に生産開始の予定。
上記の鉱区からガスパイプラインで結ぶ。
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Petronasは2011年6月2日、カナダのProgress Energy
Resources Corporation との間で、British Columbia州のNorth Montney地域のAltares、Lily、Kahtaのシェール鉱区の権益の50%を10.7億カナダドルで取得する契約を締結した。Progressが運営する。
これはPetronasにとってカナダへの初進出となる。
上記に加え、LNG輸出計画も合意した。これは西海岸にLNG基地を建設、運営するもので、Petronasが80%、Progressが20%出資し、Petronasが運営を担当、Petronasの世界のLNG市場の需要家ネットワークを使い、共同でLNGを輸出するもの。
その後2012年6月に、PetronasはProgressを55億カナダドルで買収することで合意した。
しかしカナダ政府は2012年10月、カナダにとって"net benefit"でないとして、買収不承認を決めた。
これに対し(Bloomberg Newsによると)、マレーシアのRazak首相がカナダのHarper首相に親書を送り、Petronasが今後30年にわたり、Progressの事業に680億~700億ドルを投資すると伝え、マレーシア政府はPetronasの意思決定や事業に関与しないとして、買収の承認を求めた。
カナダ政府は2012年12月7日、中国海洋石油(CNOOC)によるNexen買収と、PetronasによるProgress Energy Resources の買収を承認した。
CNOOCによるNexen買収は、カナダの承認の後、2013年2月12日に米政府の外国投資委員会から承認を受け、2月26日に買収を完了した。
承認に当たり、カナダのHarper首相は以下の通り述べた。
カナダは事業を解放しているが、これはカナダを外国政府に売り渡すということではない。(We do not mean that Canada is for sale to foreign governments.)
一連の外国の国営企業による大規模な買収で、産業が自由市場産業から外国政府の管理下の産業に変換する恐れがある。
カナダ政府は、これ以上の外国政府管理下のオイルサンド開発はカナダの利益にならないところまで来たと考える。
この決定を受け、Petronasは12月12日、Progress Energy の買収を完了した。
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カナダ西海岸のアジア向けLNG輸出計画については
2013/2/1
出光興産とAltaGas、カナダ産LNG、LPGのアジア向け輸出共同事業でパートナーシップを締結
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