武田薬品の移転価格税制での更生処分、全額取り消し

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武田薬品工業は3月26日、大阪国税不服審判所長より同社の主張を認容する旨の裁決書を受領したと発表した。
この結果、法人税・地方税等が全額還付されることとなり、還付加算金と併せ152億円が還付される。

前回の還付と合わせ、更生処分の全額が還付される。

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武田薬品は2006年6月、米国アボットとの50:50の合弁会社(当時)のTAPファーマシューティカル・プロダクツ(TAP)との間の消化性潰瘍治療剤「プレバシド」の製品供給取引等に関して、米国市場から得られる利益が武田に過少に配分されているとして、移転価格税制に基づき、大阪国税局より所得金額で6年間で1,223億円の所得の更正を受け、約570億円の追徴税額を課せられた。

武田薬品は、TAPとの取引価格はアボットの合意なしには決められず、独立企業間価格であり、移転価格税制が適用されるべきものではないとした。
本ブログも、通常は50/50JVとの取引価格は独立企業間価格とみられ、移転価格税制は適用されず、武田側の主張は当然であるとした。

2006/6/29 武田薬品、移転価格税制に基づく更正

武田薬品は2006年8月に大阪国税局に異議申し立てをおこなったが、2008年7月にこれを中断し、二重課税の排除を求めて国税庁に対し米国との相互協議を申し立てた。
しかし、相互協議が合意に至らず終了したため(米国側が合意しないのは当然のこと)、同社は一旦中断していた異議申し立て手続きについて大阪国税局へ再開を申し入れた。

武田薬品は2012年4月6日、更生された所得金額1,223億円のうち977億円を取り消す異議決定書を受領したと発表した。
455億円が還付され、還付加算金が116億円支払われた。

2012/4/9 武田薬品の移転価格税制での更正処分で異議決定 

大阪国税局が残りの246億円分の異議を認めなかった理由が分からない。

武田薬品は5月7日、残りの部分の全額の取り消しを求める審査請求書を、大阪国税不服審判所に提出した。

今回、これについて、同社の主張が容認された。
当初の追徴税の570億円全額に加え、還付加算金(金利:
2010年以降は年4.3%)として153億円もの多額が払われることとなる。


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付記

デンソーは3月27日、移転価格課税に基づく更正通知を受領したと発表した。

同社は2008年7月1日、名古屋国税局より、海外子会社との間の2002年3月期から2007年3月期までの6年間の取引に関して、独立企業間価格と異なるとの当局の判断により、更正処分の通知を受領したと発表した。
更正所得金額は155億円で、追徴税額は地方税等を含め、合計約73億円となる。

同社はこれを不服として、名古屋国税局に異議申し立てを行う一方で、二重課税の排除を目的として、国税庁に対して租税条約に基づく海外税務当局との相互協議の申し立てを行った。

今般、協議が合意に達した旨の通知を受領したもので、二重課税が完全に排除されることとなり、同社は追徴税額73億円のうち、日本側で約39億円(地方税等を含む)の還付を受けるとともに、当社海外子会社側でも海外当局より税還付を受ける。


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