Shell とBASF、ブラジルでの殺虫剤製造による従業員健康被害で賠償金支払い

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ShellとBASFは3月11日、ブラジル工場での殺虫剤製造による元従業員の健康被害に対し、総額620百万レアル(約316百万ドル)に及ぶ賠償金を支払うことで合意した。($1 = 1.9597 reals)

両社と連邦公共省労働公共局との間で合意したもので、Superior Labor Courtで公示された。

連邦公共省労働公共局によると、工場で殺虫剤を製造するための化学品に長期間晒された結果、60名が死亡した。
サンパウロ州Pauliniaの工場は1977年に操業を開始、2002年に政府が操業を禁止した。

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当初、1977年にShellが操業を開始、殺虫剤アルドリン、エンドリン、ディルドリンを製造した。

ブラジルではこれら殺虫剤の販売は1985年に禁止されたが、森林再生のためのシロアリ駆除剤としてのアルドリンの使用は認められた。

これら殺虫剤の輸出用の生産は1990年まで続けられ、1998年にこれら製品は完全に禁止された。

Shell1993年に農薬事業の中止を決定し、ブラジルを含め農薬事業をAmerican Cyanamid に売却した。

1994
年にAmerican Home Products がそのAmerican Cyanamid を買収し、2000年にBASFに売却した。

この結果、Paulinia工場はShellからAmerican Cyanamid を経由してBASFに渡ったことになる。
BASFは操業停止まで、2年間だけ操業を行った。

Shell は工場閉鎖後、2008年にBASFから土地を買い戻しているが、工場は閉鎖されたままとなっている。

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2010年にブラジルの裁判所は、Shell BASF に工場の従業員を毒性物質に曝した件で罰金を命じるとともに、従業員や家族に対する賠償支払いを命じた。

BASFによると、控訴したが敗訴となり、次に、Shellに責任があるとして訴訟を行い、 その後、Shell及び原告と話し合いを続けてきた。

2010/8/25 ブラジル裁判所、Shell とBASFに多額の罰金

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今回、両社は1068名の元従業員に個別に補償を行い、生涯にわたる医療費の支払いを行う。
労働公共局では、この費用を420百万レアル(214百万ドル)と見積もっている。

両社は別途、全体の倫理被害(moral damages)に対して200百万レアル(102百万ドル)を支払う。
このうち、50百万レアルは Paulinia に産婦人科クリニックを建設するのに使われ、150百万レアルは健康センターと労働者安全医療基金に寄付される。

Shellはこれまで、工場の操業と従業員の被害には関係がないと主張してきたが、環境汚染に遺憾の意を表した。

BASFによると、両社の負担割合は公表しない。



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