日揮は4月3日、フランスのTechnipと共同で、JSC Yamal LNGがロシアのYamal-Nenets自治区 Sabettaで進めるLNGプラント新設プロジェクトの有償見積りおよび詳細設計役務等に係る発注内示を受けたと発表した。
Yamal LNGはYamal半島のSouth Tambeyガス田に年産1,650万トンのLNGプラントを新設する計画で、第1期550万トンを2016年末に操業、同能力の第2期、第3期をそれぞれ2017年末、2018年末に稼働させる。
同ガス田の天然ガス埋蔵量は昨年末時点で9,070億立法メートルとなっている。
Yamal LNGはロシアの天然ガス第2位のNovatekが80%、Totalが20%出資する。
Totalは2011年10月、Novatekとの間で20%出資の契約に調印した。
今後、他社の出資も検討している。Novatekは最低51%の出資比率は維持する意向。ロシアのノバク・エネルギー相は3月16日、Novatekが日本企業と資本参加を含む協議を進めていることを明らかにした。
ロシア通信によるとエネルギー相は、ノバテクが東京ガス、東京電力、丸紅、三井物産、三菱商事の各社と作業グループをつくり、協議に入ったと述べた。
総事業費は明らかにしていないが、1兆円を超える可能性があると見られている。
日揮とTechnip
は先ずLNGプラントに係る有償見積り、詳細設計および一部長納期機器の調達役務を遂行し、次のフェーズとして、LNGプラント建設に必要な全ての契約を締結する予定。
日揮にとって初のロシアでのプラント建設プロジェクトの受注となる。
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現在のロシアの法律では、Gazpromのみが天然ガス、LNGを輸出する権利を持っている。このためNovatekはGazpromを通してしかLNGを輸出できない。
プーチン大統領は「ロシアが世界のLNG供給で3.6%しか占めていない」とGazpromに対する不満を示しており、2月13日、LNG輸出の段階的な自由化を検討するよう政府に指示した。
Yamal LNG は3月中旬に、ロシア政府が本計画を進めることを認めたと述べた。
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現在、 同地に多機能海港のSabetta港の建設が進められている。
ここはLNG、石油、天然ガス・コンデンセートを輸出する拠点港になる。
北極海航路が航行可能となる7月から11月は東側へ船を進め、ベーリング海峡経由で日本等に輸送、12月から6月は西欧に船を進める。
ロシア海運最大手ソフコムフロートは2010年8月、Murmanskを出港し北極海を初めて横断航行している大型タンカーBaltika が北極海航路の難関部分の通過に成功し、ロシア東端のチュコト(チュクチ)自治管区Pevekに達したと発表、「大型船舶の運航の可能性が実証された」と表明した。
2010/9/1 北極海横断航路で初輸送
2012年11月7日にGazpromがStatoilの生産したLNGをノルウェーのHammerfestでLNG船オビ・リバー号に積み込み、ベーリング海峡を通り、12月5日に北九州市戸畑区の港に到着した。原子力砕氷船を同行させた。
欧州とアジアを結ぶ新ルートの将来性をアピールする狙い。
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