丸紅、韓国にLNG輸送

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丸紅は4月15日、韓国のSK Shipping と共同で、フランスのTotal の英国法人と新造LNG船2隻の長期傭船契約を締結したと発表した。

丸紅とSK Shippingはこのたび、共同でLNG船を保有・運航管理する船舶保有会社2社を設立した。(報道では、丸紅が49%、SKが51%出資)

韓国の三星重工との間でLNG積載容量各180,000m3のLNG船2隻の建造契約を締結、Total Gas & Power Charteringとの間で最長30年間の傭船契約を締結した。

1隻は豪州 Ichthys LNGプロジェクトから、1隻は米国のシェールガスを原料とする初のLNGプロジェクトとなるSabine Pass LNGプロジェクトからのLNG輸送に投入される予定で、2017年1月および10月に竣工する。
LNG船は2015年に拡張される予定のパナマ運河を通峡可能な最大船型となる。

LNG供給先は韓国ガス公社(Kogas)で、同社は1社単独では世界最大のLNGの買い手で年間3千万トンを輸入している。

豪州のIchthys LNGプロジェクトは国際石油開発帝石(INPEX)が主導の計画で、生産開始は2016年12月末の予定。

Ichthys ガス・コンデンセート田の埋蔵量は、年間800万トン超のLNGを約20年の長期にわたり生産できる規模。
産出される天然ガスを、Darwinに建設する陸上プラントで液化し、年間840万トンのLNGと年間約160万トンのLPGとして生産・出荷する。
また、洋上貯油・出荷施設(FPSO:Floating Production, Storage and Offloading)等から日量約10万バレル(ピーク時)のコンデンセートを生産・出荷する。

権益比率は以下の通り。

INPEX 66.070
Total 30.000
東京ガス 1.575
大阪ガス 1.200
東邦ガス 0.420
中部電力 0.735

LNGについては既に、下記の通り、2017年から15年間の長期LNG売買契約を締結している。

買主 LNG年間販売量
東京電力 105万トン
東京ガス 105万トン
関西電力 80万トン
大阪ガス 80万トン
九州電力 30万トン
中部電力 49万トン
東邦ガス 28万トン
CPC社(台) 175万トン
TOTAL社(仏) 90万トン
INPEX 90万トン
合計 832万トン


Totalは2017年1月から韓国ガス公社(Kogas)に供給する。報道では年120万トンとなっており、
30万トンはINPEX枠からの購入かと思われる。

2012/1/16  国際石油開発帝石、豪州イクシスLNGプロジェクト 最終投資決定 

米国のCheniere Energyはルイジアナ州Sabine Pass の海外からのLNG受入基地に天然ガスのLNG化設備を建設しているが、2010年9月に米国がFTAを締結している国(将来締結した国も含む)に限定して輸出許可を取得、更に、2011年5月、条件付きですべての貿易相手国への輸出を認められた。

売買先は下記の通りで、韓国のKogasは2017年から年350万トンを輸入する。

輸出先 数量
万トン/年
供給開始  契約期間
BG Group (英) 350 2016  20年間
同上 追加 200 2016  同上
Gas Natural(スペイン) 350 2016  同上
Gail(インド) 350 2017  同上
Kogas(韓国) 350 2014→2017  同上
合計 1,600    


2012/2/24 
米国からのLNG輸入問題

ーーー

丸紅は2010年にノルウェーのBW Gas との協業によりLNG船の共同保有・運航事業分野に参入した。
BW Gasの子会社が保有していたLNG船8隻を共同保有している。(
丸紅49%、BW Gas 51%)


2011年にはカナダの海運大手Teekayと共同で、海運世界最大手のデンマークのA.P. Moller-Maersk A/S からLNG運搬船8隻(6隻は単独、2隻は権益)を買収した。(丸紅48%、Teekay 52%)

同社では、今後増大が予想されるシェールガスを原料とするLNGの輸送をはじめ、LNG輸送ビジネスを拡大していく計画で、2020年をメドに20~30隻に増やすとしている。



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