三菱化学、高吸水性樹脂事業から撤退

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三菱化学は3月29日、高吸水性樹脂(SAP)を製造・販売するサンダイヤポリマーの持株全てを譲渡し、合弁事業を解消すると発表した。
持株40%のうち、30%を豊田通商に、10%を三洋化成に譲渡する。

この結果、三洋化成 60%、三菱化学 40%であったサンダイヤポリマーは、三洋化成70%、豊田通商30%のJVとなる。

豊田通商は三洋化成が世界で初めてSAPの商業生産を始めて以来、その販売に携わってきた。

三洋化成と豊田通商はSAPを戦略的開発品と位置づけており、今後いっそうの事業拡大のためには、両社が事業を遂行していくことが最適であると判断し、合弁を解消することとした。

豊田通商が保有する販売・物流網を活用することにより競争力を高め、成長するSAP市場での積極的投資を通じグローバル展開を加速し、これまで以上に市場ニーズ、顧客ニーズに応えるべく尽力する。

大垣工場は三菱化学連結子会社の日本合成化学内にあるが、引き続きサンダイヤポリマーのプラントとして稼働を継続する。


三菱化学は、四日市のアクリル酸、同エステル、グループ会社のエマルションなど川下製品までの一貫体制で競争力を強化する。
JVの解消後も、サンダイヤポリマーに原料アクリル酸の供給を継続する。

サンダイヤポリマーは実質的に三洋化成の事業になっており、三菱化学にとってはアクリル酸さえ買ってくれるのであれば、三洋化成に任せる方がよいとの判断であろう。

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サンダイヤポリマーは2001年3月22日に三洋化成工業 60%、三菱化学 40%出資で設立され、20014月に営業を開始した。

三洋化成は名古屋に年産85トンのプラントを有しており、三菱化学は日本合成化学工業との合弁のダイヤポリアクリレート(三菱化学 51%/日本合成化学 49%)大垣工場に年産10千トンのプラントを有していた。

合弁会社設立とともに、ダイヤポリアクリレートのSAP製造プラントは合弁会社に移管された。

2003年6月にサンダイヤポリマーが100%出資し、中国現地法人「三大雅精細化学品(南通)有限公司」が設立された。


その後、各プラントは以下の通り増設され、現在の合計能力は270千トンとなっている。

    設立時     手直し
名古屋   85  → → → 105 115
大垣   10  → → → 20  
中国    2065 135  
合計   95   260 270

 

参考

2011/8/4 日本の各社、高吸水性樹脂を増強

2006/4/24  アクリル酸業界



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