イスラエル沖のTamarガス田からの天然ガスパイプラインがYam Tatisガス田で既存のパイプラインに接続され、3月30日にAshdod天然ガス基地への天然ガス輸送が始まった。
同ガス田の推定埋蔵量は約2700億立方メートルで、今後、電気料金の値下げなど同国経済への好影響が期待されている。
Tamarガス田は北部ハイファの西方約90キロの地中海に位置し、2009年に発見され、掘削作業やパイプラインの敷設などが行われていた。
2010年に発見された隣接のLeviathanガス田の推定埋蔵量はTamarガス田を大きく上回ることも予想され、イスラエルが今後「エネルギー輸出国」に変わる可能性もある。
これらの外側にはキプロスの鉱区がある。
同地区でのガス田探査は当初 British Gasが行ったが、ギブアップした。
2007年に米国のNoble Energyが36%出資し、イスラエルの Delek Drilling (31%)、Isramco (29%)、Dor Alon (4%)の3社が加わるコンソーシアムが引き継ぎ、2年間の努力の末に2009年にガス田を発見した。
Leviathanガス田(開発中):
Noble Energy 39.66%、Avner Oil & Gas 22.67%、Delek Drilling 22.67%、Ratio Oil Exploration 15%
キプロス Block 12(試掘中):
Noble Energy 100%(DelekとAvner が15%ずつ取得するオプション)Leviathanガス田についてはキプロス(Cyprus) のBlock 12の分と合わせて海底パイプラインでキプロスに送り、キプロスで液化してLNGにして海外に輸出する構想がある。
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イスラエルでは2005年から、エジプトのシナイ半島のEl-ArishからイスラエルのAshkelonに通じる海底パイプラインで天然ガスを受け入れていた。
しかし、2011年にEl-Arishのパイプライン基地で爆発があり、ガス供給が停止され、エジプトの 新政権は2012年4月22日、イスラエル向けの天然ガス輸出契約を打ち切ったと発表した。
2011/2/8 エジプトーイスラエル・天然ガスパイプラインが停止
2011年には既存のYam Tatis
ガス田が枯渇しており、それ以降、イスラエルの利用できる天然ガスはほとんどなくなり、Israel Electric
Corporationは燃料を高価なディーゼルに戻さざるを得なくなっていた。
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キプロス側の開発については問題がある。
既報の通り、キプロス島は1974年以来、南北に分断されており、島の北部約37%をトルコ系住民による北キプロス・トルコ共和国(トルコのみが承認)が占めている。
南側のギリシャ系住民が住むのがキプロス共和国で、EUに加盟している。
天然ガスの発見で、トルコはトルコ系住民の住む北キプロス・トルコ共和国も権利を持つとし、南北で大陸棚での探査について協定を結ぶことを要求したが、キプロスはこれを無視した。
2011年9月、Noble EnergyはBlock 12で探査を開始したが、トルコの妨害に備え、イスラエルが戦艦と飛行機を用いてこの石油・ガス開発調査を支援しているという。
キプロス政府は2012年11月に新たにBlock 2, 3 ,9, 11の4鉱区 、12月にBlock 10の探鉱権を付与した。その後、Block 9については当初の3社との交渉を打ち切り、Eni/KOGASに権利を付与した。
現在の状況は以下の通り。
Block 13 Noble Energy 100%(DelekとAvner が15%ずつ取得するオプション) Block 2&3 イタリア炭化水素公社(Eni)/韓国ガス公社(KOGAS) Block 9 仏Total E&P Activities/露NOVATEK/露Global Resources → Eni/KOGAS Block 11 仏Total Block 10 仏Total
トルコ政府はこれに参加する企業はトルコのエネルギー事業から締め出すと警告している。
キプロスによると、同国の天然ガス埋蔵量は最大約1兆7000億立方メートルで、同国にとり貴重な財産である。
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