米国のシェールガス開発会社GMX Resourcesは4月1日、Chapter 11の申請を行ったと発表した。
同社は東テキサスのHaynesville/Bossier gas
shaleやCotton Valley Sand Formationでシェールガスの開発を行ってきた。
2010年後半に事業を他の地域にも拡大する意思決定を行い、North Dakota、Montana州のBakkenとThree
Forksのオイルシェールを買収した。
同社は昨年1年にわたり、生産増や効率改善、コストダウンに取り組んできたが、天然ガスの価格下落により、資金繰りが行き詰った。
現在の資産は281.1 百万ドルで、これに対する負債総額は485.5 百万ドルとなっている。
同社は債権者から50百万ドルのつなぎ融資(Debtor-in-possession:DIP)を受けて事業を継続しつつ、資産売却を進める。
2017年に期限がくる担保付債権保有者との間で操業中及び開発中のすべての資産を引き渡す契約を準備しており、裁判所の許可を得て、契約を締結し、その後入札でこれら資産を売却する予定。
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米国では天然ガスと原油は用途が異なるため、別々に需給により価格が決まる。
従来は天然ガス価格は原油価格にほぼスライドしており、原油100ドル/バレルの場合、天然ガス価格は100万BTU当たり10ドル前後であった。
しかし、シェールガスの開発が進み、天然ガス価格は暴落した。
米国ではNatural Gas Act of 1938 により、天然ガス輸出入にはエネルギー省の許可が必要とされており、FTA非締結国への輸出許可はこれまで1件だけである。
天然ガス輸出の是非を巡っては、輸出推進派とDowなどの輸出反対派が争っている。
2013/1/30 米国の天然ガス輸出論争、激化
2013/2/5 米国の天然ガス輸出規制はGATT違反?
最近の天然ガスの価格状況は以下の通りで、2012年前半には2ドル程度にまで落ち込んだが、最近は3.5ドル程度となっている。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査レポート(2013/1/23)
この価格水準ではメーカーの経営は非常に苦しく、多くの生産者はシェールオイルに移行しているが、シェールガス中心の生産者にはChapter 11の申請に追い込まれるケースも出始めているとされる。
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LNGの輸出を巡っては、近いうちに米国政府の決定が行われると見られており、FTA非締結国である日本向けの輸出も認められる可能性が強い。
この場合、供給側は赤字に悩み、需要側は購入を熱望している状況から、価格が上昇するのは確実である。
(Dowなどが輸出に反対するのは国内価格の上昇を恐れてのものである)
100万BTU当たり6ドルになるとの説があるが、それでも、LNGへの加工費3ドル、輸送費3ドル(メキシコ湾岸)を加えても12ドル程度であり、現在の原油価格スライドの約16ドルと比べ、かなり安くなる。
但し、現在のLNG輸入価格は単なる原油スライドではなく、震災後の買いあさりで割高になっているもので、長期的にみれば米国からのLNGはそれ程有利でないかも分からない。
東京ガスは2013年4月1日、米国政府の承認を前提に、住友商事を通じ米国のDominion Cove Point
LNGを年140万トン輸入すると発表した。 住友商事はDominion Cove Point
LNGが建設中の年間460万トンの天然ガス液化プラントに年230万トン分の液化加工契約を締結した。
関西電力も同日、年80万トンを輸入すると発表した。
米エネルギー省による自由貿易協定(FTA)未締結国向けのLNG輸出許可発行等を経て、2017年後半からのLNG輸出を目指す。
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