新日鐵住金の モザンビーク原料炭開発プロジェクトが採掘権を取得

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新日鐵住金は4月4日、同社と日鐵商事が合計で33.3%の権益を保有するRevuboe 炭鉱開発プロジェクト が3日にモザンビーク共和国政府より採掘権を取得したと発表した。

モザンビーク共和国Tete州に位置する未開発の原料炭炭鉱で、これまでの探査活動の結果、高品質かつ大規模な露天掘り可能な原料炭の賦存を確認して いる。
ブラジルのValeが操業中のMoatize鉱区、豪州Rio Tinto 社とインドTATAの合 弁会社が操業中のBenga鉱区、豪州Rio Tintoが探査中のZambeze鉱区等有望な原 料炭鉱区に隣接している。

採掘権を与えられたのはMinas de Revuboe Limitada で現在の出資状況は以下の通り。

豪州資源会社Talbot Group    58.9%    
日鉄商事   10.0%     当初、南ア法人に出資、2004/7 に独占探査権を取得
新日鐵住金   23.3%     2010/12 日鉄商事から取得し、参加
韓国POSCO   7.8%     2010/5 参加


Talbotは
2012年7月に、持株を英資源大手 Anglo Americanに540百万豪ドル売却することに同意した。
しかし、Anglo Americanは2013年3月28日、条件が合わなかったとして契約を取り消した。

このため、Talbotは新たな売却先を探すこととなる。

鉱区面積は 3,860 ヘクタールで、 推定資源量は 約14 億トン、原料炭の品質は、豪州優良強粘結炭並みの品質である。

年間500万トンの原料炭を採掘する計画で、2016年出炭開始を予定している。

同地の問題点は石炭の輸送をどうするかという点である。

先行するValeはBeiraまで鉄道輸送しているが、運搬能力は少なく、Beira港は整備されていない。

Rio Tintoはザンベジ川をバージで下り、河口で大型船に積み替える計画を立てたが、政府がこれを認めなかった。また、川を浚渫する必要もあるとされる。

このため、天然の良港のNacala港のターミナルと鉄道を建設中だが、完成は2015年になる。

Tete-Nacala Railway Line建設にはValeが協力しており、Valeは45億ドルを投資すると報道されている。

Rio TintoはBenga鉱区 とZambeze鉱区を所有・運営していた豪州のRiversdale Miningを買収しRio Tinto Coal Mozambiqueとしたが、石炭の輸送が十分に出来ず、本年1月17日、同社で30億米ドルの評価損を計上すると発表した。
両鉱山の埋蔵量が当初の想定よりも少なかったとも報道されている。

2013/1/24 Rio Tinto、140億ドルの評価損計上、CEO辞任 

新日鐵住金では本計画の出炭開始 を2016年としているが、鉄道とターミナルの完成が前提となる。

生産が軌道に乗れば、新日鉄住金が使用する原料炭のうち、自前の炭鉱からの調達比率は現在の20%から5ポイント高まるとみられる。




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