テキサスで肥料工場爆発、被害者多数

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テキサス州のWaco市の約30km北にある人口2600人余りの町WestにあるWest Fertilizer 社の肥料工場で、4月17日夜、原因不明の火災が起きたあと、2度にわたって大規模な爆発があった。

 

報道によると、同工場には肥料原料の無水アンモニアが25トン保管されていたとされる。
 (付記 その後の調べで、硝安が245トン、無水アンモニアが50トンと判明)

無水アンモニアのタンクで火災が発生し、消防が消火中に、大爆発が起こった。

爆発の衝撃は、アメリカ地質調査所でマグニチュード 2.1を記録、現場から北におよそ100km以上離れたダラスでも揺れを感じた住民がいたという。

この爆発で133人が入居していた老人ホームを含む住宅など75棟が倒壊したり壁が吹き飛んだ。

村長は、35人から40人の消息が掴めず、亡くなったのではないかとしている。そのうち、6人が消防士、4人が救急医療士。
地元警察は、負傷者が160人以上にのぼるとしている。

付記
消防隊員ら12人が工場敷地内で、他に、高齢者施設の入居者を含む住民3人が死亡した。約200人が負傷した。
被害総額は1億ドルに及ぶ。

漏出や爆発の恐れがあることから、付近の住民約2800人の多くは避難し、周辺への車の進入も禁止された。

今のところ、原因は不明。硝安の爆発とか、ガス状態の無水アンモニアが放水で爆発したとかの説が述べられている。

警察はテロの可能性については、「現時点で事件性を示すものは何もないが、その可能性を排除しない」としている。

工場を運営する会社は、昨年、安全管理に問題があるとして、連邦政府から罰金を科されていた。

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Westの南のWaco市は1993年に"Waco siege"事件が起こった場所。

1993年2月にDavid Koreshに率いられたキリスト教系カルト教団Branch Davidianが武装して立て籠もった。

2月28日に武器の不法所持の容疑でアルコール・タバコ・火器局が強制捜査に乗り出し、武装した捜査員100名が突入を試みた 。
信者達は応戦し、捜査官4名、信者6名が死亡した。
その後、立てこもりは51日続いた。

4月19日、FBIは19台の戦車、装甲車、武装ヘリを前面に立てて突入を試みた。
建物の一角から出火、信者のほとんどが脱出せず、死亡した。
最終的には
Koreshを含む81名(子供25名を含む)が死亡した。生存者はわずか9名。
集団自殺と扱われているが、
政府の弾圧ではないかとの疑問も呈されている。 

 

たまたま、今回の爆発は集団自殺のあった4月19日の2日前にあたるため、関連付ける向きもある。

 



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