南アのSasolは3月28日、ルイジアナ州 Lake Charlesに新しいLDPEプラントを建設することを明らかにした。
ExxonMobilのチューブラー法を使用するもので、能力は年産42万トン、2016年下期の完成を目指す。
同社は2005年に南アのSasolburgでExxonMobilの同技術でLDPEプラントを建設している。
Sasolは2011年11月に、Lake
CharlesにGas-to-liquids (GTL)プラントとワールドクラスのエチレンクラッカーと誘導品を建設するFSを開始すると発表した。
シェールガスを利用するもので、エチレン能力は100万~140万トン。
同社は2012年12月に計画がFront-end engineering and design (FEED) 段階に入ったと発表した。
ーーー・Gas-to-liquids (GTL)
2段階で日量48千バレルの設備を2基建設する。1基は2018年、1基は2019年稼働を予定。・エチレン年産150万トンのクラッカーと誘導品
2017年稼働予定
三菱ケミカルホールディングスは3月5日の中期経営計画説明会で、米国のシェール革命について触れているが、エチレン及び誘導品の建設計画が目白押しである。この中にSasol計画も含まれている。
各社の計画は以下の通り。
ExxonMobil:テキサス州Baytown に年産150万トンのエチレン工場を建設することを決め、認可手続きに入っている。
Dow:2011/4/26 ダウ、エチレンとプロピレンの拡張計画を発表
2012/3/12 Dow、ワールドスケールのプロピレン建設を決定
エチレンについては、メテキサス州Freeport に同社としては世界最大の年産150万トンのプラント建設を決定し、政府の認可を申請した。投資額は17億ドルで、2014年に建設を開始し、2017年1月に操業開始の予定。
Chevron Phillips:2011/12/29 Chevron Phillips Chemical、シェールガス利用で大規模石化計画
Shell:2011/6/14 Shell、アパラチア地方でエチレンクラッカー建設へ
Oxychem:2012/2/11 OxyChem、シェールガス利用でエチレン新設
Lyondell:2011/12/20 LyondellBasellの成長戦略
Formosa Plastics:
2012年12月に17億ドルを投じて能力増強とシェールガスへの原料転換を行うと発表した。
増設後の能力はエチレンが240万トン、プロピレンが100万トンになる。Braskem:
BraskemのCEOは2011年4月、シェールガスを利用して米国でエチレンとポリエチレンの製造を行いたいと述べた。
なお、Braskemは米国で3つのPP工場を買収したが、原料プロピレンを供給するEnterprise Productsはテキサスでシェールガスからのプロパンの脱水素(PDH)で75万トンのプロピレン工場を建設する。
Indorama:
タイのIndoramaは2012年3月、シェールガスを原料にエチレンとEGプラントの建設を検討していることを発表した。
同社は2012年4月にOld World IndustriesからEO/EGプラント(元CelaneseのものでEO能力435千トン)を795百万ドルで買収している。
これに対する三菱ケミカルの戦略は以下の通り。
1)技術面で差異化できる製品を北米で展開
・日本合成化学(Noltex)Houston工場のEVOH樹脂の増設
15千トン増設し、合計能力38千トンへ
・エチレン法によるMMA/PMMA計画
ダウの新エチレン(150万トン)プラントに隣接して、MMAモノマー25万トンを建設する計画
三菱レイヨンが買収したLuciteのエチレンを原料とするアルファ法を採用。
2)C4製造新技術の商業化、日本国内再編でアロマ原料を安定確保
シェールガスからのエチレン、プロピレン製造ではC4、アロマは併産しないため、これらが不足になる。
3)米国のガス価格上昇の可能性も考え、中東の在来型資源利用も継続
コメントする