2013年3月決算 - 三菱ケミカル、三井化学

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三菱ケミカルホールディングス

営業損益は前年比で403億円の減益となったが、石油化学(ケミカルズ、ポリマーズ)がほぼ同額の減益で、ともに損益ゼロとなっている。

製品と原料の価格差が1000億円もあり、石油化学がそのうち700億円。(ケミカルズでは主としてテレフタル酸関係)

エレクトロニクスアプリケーションズは前年に引き続き赤字。

ヘルスケアが好調で、全営業利益の80%強を占める。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2011/3 31,668 2,265 2,239 836 5 5
2012/3 32,082 1,306 1,336 355 5 5
2013/3 30,886 902 871 186 6 6
前年比 -1,196 -403 -466 -169 1  1 
2014/3 35,700 1,580 1,430 510 6 6

営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3
予想
  前年比 差
増減 売買差  数量差  コスト
削減
その他
ケミカルズ 530 148 -2 145 -150 -289 113 34 -8
ポリマーズ 550 238 1 225 -237 -429 73 82 37
エレクトロニクス
アプリケーションズ
10 -53 -51 -10 2 -45 -15 62 0
デザインド
マテリアルズ
365 256 225 450 -31 -62 -30  87 -26
ヘルスケア 851 764 749 800 -15 -194 153 6 20
その他 45 61 65 50 4   0 13 -9
全社 -86 -108 -85 -80 23     12  11
合計 2,265 1,306 902 1,580 -403 -1,018 294 296 25

注 エレクトロニクス・アプリケーションズ:記録材料、電子関連製品、情報機材
   デザインド・マテリアルズ:食品機能材、電池材料、精密化学品、樹脂加工品、
                   複合材、無機化学品、化学製品


2014年3月期については、円高の修正による増益効果と、機能商品・素材分野における需要回復と拡販による増益を見込む。


田辺三菱製薬の業績は以下の通りで、薬価改定の影響はあったが、新製品6品目の伸びが大きく、純利益では5期連続の最高益となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2012/3 4,072 690 688 390 15 20
2013/3 4,192 690 694 419 20 20
前年比 120 -1 6 29 5 0 
2014/3 4,170 700 715 440 20 20


三菱ケミカルホールディングスの田辺三菱製薬持分は56.34%であるため、営業損益、経常損益は全額が連結決算に反映されるが、当期損益ベースでは少数株主利益が控除され、持株比率分しか反映されない。

ーーー

三井化学

減収で大幅減益となった。

2012年4月22日、岩国大竹工場のレゾルシンプラントで爆発・火災事故が発生した。
レゾルシンは再建を断念し、事業撤退、メタパラクレゾールその他が長期休止した。

これによる販売減少が448億円ある。

営業損益は基礎化学品の交易条件差、数量差が大きく、大幅減益となった。

特別損益は事故損失49億円、事業再構築の減損損失56億円、関連事業損失41億円などがあり、受取保険金55億円などがあったが、差引100億円の損失となっている。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2011/3 13,917 405 389 249 3 3
2012/3 14,540 216 229 -10 3 3
2013/3 14,062 43 92 -81 3 3
前年比 -478 -173 -137 -71 0  0 
2014/3 16,000 280 230 50 3 3

営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3
予想
  前年比 差
増減 交易
条件 
数量差  固定費
石化 128 89 77 160 -12 -68 10 46
基礎化学品 204 86 -189 -140 -275 -247 -83 55
ウレタン -90 -146 -26 70 119 92 10 18
機能樹脂 72 82 84 105 2 -40 18 24
(加工品) 14              
機能化学品 100 116 124 155 7 -16 21 2
フィルム・シート   2 -33 -20 -35 -37   2
その他 1 1 -6 -50 -7     20
全社 -25 -15 12 27    
合計 405 216 43 280 -173 -316 -24 167


三井化学は機能化学品部門にヘルスケア材料事業部を持つが、三菱ケミカルの田辺三菱製薬、住友化学の大日本住友製薬のように損益に貢献するには至っていない。

同社では景気変動の影響を受けにくいヘルスケア材料事業の拡大を目指しており、本年4月に歯科材料事業を543億円で買収した。




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