米司法省は5月21日、米自動車部品販売を巡るカルテルでデンソーの2人が罪を認め、禁固刑と罰金支払いで合意したと発表した。
同省の発表では、米国の自動車部品販売を巡るカルテルでの処分は9社、14名となる。
企業:日系7社と他2社の合計9社
罰金 | |||
古河電工 | 2011/9 | ワイヤーハーネス | 200 百万ドル |
矢崎総業 | 2012/1 | 同上 | 470百万ドル |
デンソー | 2012/1 | electronic control units (ECUs)
heater control panels (HCPs) |
78百万ドル |
ジーエスエレテック (デンソー関係会社) |
2012/4 | antilock brake systems | 2.75百万ドル |
フジクラ | 2012/4 | wire harnesses | 20百万ドル |
Autoliv Inc (Stockholm) |
2012/6 | seatbelts, airbags and steering wheels |
14.5百万ドル |
TRW Deutschland (米社独子会社) |
2012/7 | seatbelts, airbags and steering wheels |
5.1百万ドル |
日本精機 | 2012/8 | 自動車用計器 | 1百万ドル |
東海理化 | 2012/10 | ヒーターコントロールパネル | 17.7百万ドル |
個人:古河電工3名、矢崎6名、デンソー4名、山下ゴム1名の計14名
氏名 発表 or 合意書 禁固 罰金 古河電工 J. F. 2011/10/24 1年+1日 各人
2万ドルH. N. 2011/10/13 15か月 T. U. 2011/11/10 18か月 矢崎総業 T. H. 2012/1/30 2年 R. K. 2012/3/26 2年 S. O. 2012/3/26 15か月 H. T. 2012/3/26 15か月 T. S. 2012/8/16 14か月 K. K. 2012/9/26 14か月 デンソー N. I. 2012/3/26 1年+1日 M. H. 2012/4/26 14か月 Y. S. 2013/5/21 16か月 H. W. 15か月 山下ゴム H. Y. 2012/11/16 12か月+1日
日本人が米国の独禁法違反で禁固刑となるのは、これまで2名のみであったが、一気に16名となった。
ダイセル社員のH. H.氏 (防カビ剤のソルビン酸価格カルテル)
2006/2/16 独禁法改正ブリヂストンのM. H.氏(マリンホース国際カルテル)
2008/12/12 マリンホース国際カルテル事件で日本人に有罪判決
それまでも多数が起訴されているが、日米犯罪人引渡条約の対象に該当しないため、米国での時効の中断状態となっている。
(他の国では犯罪人引渡条約の対象になる国が多く、米国以外に旅行して米国に引き渡される恐れがある。)
前者は海外に行けないのでは仕事にならないため、自ら渡米し、刑に服したもの。
後者は現場で逮捕された。
今回、14名もが刑に服するのは、米国の強い姿勢の結果であると思われる。
推測だが、企業との和解交渉で、責任者が罪を認め、刑に服することを条件にしたのではないかと思われる。
企業がこれに応じない場合、和解ではなく裁判になり、有罪となれば、独禁法の規定で賠償額が3倍になる恐れがある。
Dow Chemical のポリウレタン独禁法違反裁判では、陪審員の罰金4億ドルの決定に対し、裁判官は3倍の12億ドルの決定を下した。
今後、米国で独禁法違反となれば、責任者が禁固刑というのが一般的になる可能性がある。
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