2013年3月決算 - 旭化成、日本触媒、帝人

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旭化成

ケミカルズは減益とはなったが頑張っており、住宅と医薬・医療が好調で、若干の減益で止まった。

2014年3月期については、ケミカルとエレクトロニクスの増益を見込む。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2011/3 15,984 1,229 1,182 603 5 6
2012/3 15,732 1,043 1,076 558 7 7
2013/3 16,666 920 951 537 7 7
前年比 934 -123 -124 -21    
2014/3 18,910 1,300 1,300 770 7 7

営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 2014/3
予想
  前年比 差
増減 売買差  数量差  コスト差
ケミカルズ 644 445 229 430 -216 -59 -53 -104
住宅 365 463 543 600 79 27 91 -39
医薬・医療 70 88 159 205 71 -29 162 -62
繊維 42 31 40 70 9 6 -9 11
エレクトロニクス 143 64 28 100 -36 -59 -40 63
建材 21 18 40 55 21 3 7 12
クリティカルケア     -37 -40 -37     -37
その他 17 30 22 15 -8   -8  
全社 -72 -97 -105 -135 -8     -8
合計 1,229 1,043 920 1,300 -123 -111 150 -164

 


同社の医薬・医療事業の概要は以下の通り。

医療用医薬品 1954年に日本初の国産の抗生物質を開発して以来、独創性の高い新薬を継続して提供している。
骨粗しょう症治療剤「エルシトニン」、排尿障害改善剤「フリバス」錠、抗うつ剤「トレドミン」、血液凝固阻止剤「リコモジュリン」など
診断薬 独自の酵素利用技術を活用した診断薬で健康維持に貢献
ヘルスケア製品 高濃度流動食や粘度調整流動食、栄養補給ゼリーなどの多彩な栄養補給製品を提供
透析 膜分離技術をもとに、人工透析に用いられる中空糸型人工腎臓を開発
アフェレシス
(血液浄化療法)
膜分離技術、吸着技術を用いた各種製品の開発から装置操作、高度な血液浄化治療システムの開発まで積極的に取り組む。
「プラノバ」 ウイルス除去フィルター
血しょう分画製剤やバイオ医薬品の製造工程でウイルスなどの病原物質を除去
輸血用
血液フィルター
超極細繊維の白血球除去フィルター


2012年4月に
米国の救命救急医療機器大手のZoll Medicalの買収を完了した。
同社関連の業績を、「クリティカルケア」セグメントで開示。

2012/3/19 旭化成、米国ZOLL Medical Corporationを買収

ーーー

日本触媒

2012年9月29日、姫路製造所のアクリル酸のタンクが爆発した。

ほとんどのプラントが停止、12月に一部プラントの使用停止命令が解除されたが、アクリル酸とそれを使ったアクリル酸エステル、吸水性樹脂(SAP)は下期全期間停止し、現在もまだ停止している。
メタアクリル酸およびメチルメタアクリレートについては、2013年4月30日に一時使用停止命令が解除された。

プラント停止に伴う減収減益と、他の製品の原料・製品の価格差等で大幅な減益となった。
なお、停止期間中の固定費は特別損失に振り替えている。

停止期間中の固定費を含む爆発火災事故に係わる損失(減収損失を除く)8,882百万円を特別損失に計上した。
保険金8,231百万円が入り、特別利益に計上している。

大幅減益となるため、法人税等は74億円減少となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2011/3 2,883 298 310 211 10 12
2012/3 3,207 311 331 213 11 11
2013/3 2,695 100 138 84 11 5
前年比 -512 -211 -193 -129 0  -6 
2014/3 3,000 150 180 120 8 8

営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 前年比 2014/3
予想
基礎化学品 140 134 21 -113 150
機能性化学品 133 165 68 -97
環境・触媒 24 17 14 -2
全社 1 -5 -3 2
合計 298 311 100 -211 150

基礎化学品:アクリル酸、アクリル酸エステル、EO・EG、高級アルコール、その他
機能性化学品:高吸水性樹脂、無水マレイン酸、不飽和ポリエステル樹脂、その他

 

2014年3月期については、下期には姫路製造所の稼働が回復し、生産活動が本格化すると見込み、増収増益を予想している。

ーーー

帝人

炭素繊維を中心とする高機能繊維・複合材料と電子材料・化成品が赤字に転落、大幅減益となった。
ヘルスケアのみが好調で、全社の損益を支えている。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2011/3 8,157 486 503 252 2 3
2012/3 8,544 340 343 120 3 3
2013/3 7,457 124 98 -291 2 2
前年比 -1,087 -217 -245 -411 -1  -1 
2014/3 8,300 250 230 80 2 2


特別損失に減損損失294億円を計上した。内訳は以下の通り(億円)

炭素繊維 日本・ノレン -173
ドイツ・機械装置 -31
米国・機械装置 -19
ヘルスケア 米国・ノレン等 -54
その他   -17

炭素繊維のうち、ノレンは2007年に東邦テナックスを100%子会社化した際の「のれん代」

長期化する景気低迷、またスポーツ・レジャー用途を中心とした競合激化の状況を踏まえ、将来キャッシュフロー予測に基づく回収可能性を慎重に検討して減損処理した。

2013/4/6    帝人、炭素繊維関連で減損処理

ヘルスケアは米国で在宅医療事業を営むBraden  Partners L.P. を2008年に114百万ドルで買収した際ののれん等の未償却残高の一部で、米国での医療制度改革で保険価格が大幅に引き下げられたこと等の環境変化で買収時に想定した収益性が見込めなくなった。
 
その他は2001年の洪水で被災したタイの子会社の工場の固定資産の一部等の減損損失。

営業損益対比(億円)           
  2011/3 2012/3 2013/3 前年比 2014/3
予想
高機能繊維・複合材料 44 72 -47 -119 35
電子材料・化成品 234 37 -19 -57 10
ヘルスケア 229 259 248 -11 250
製品 77 66 47 -19 50
その他 31 37 42 5 40
全社 -131 -131 -148 -16 -135
合計 486 340 124 -217 250


同社のヘルスケア部門には「医薬品」と「在宅医療」がある。

 医薬品:

骨粗鬆症治療剤は後発品を含む他社新薬の伸張で厳しい状況が続く。

そのなかで、痛風・高尿酸血症治療薬「フェブキソスタット」が国内・海外共に順調に販売を伸ばしている。

 在宅医療:

国内外で約40万人の患者にサービスを提供している。

 在宅酸素療法(HOT)用酸素濃縮装置
 睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療器:携帯電話網でモニタリング
 補助換気療法機器
 超音波骨折治療器 など

 

 

 

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