2013年3月決算がほぼ出揃った。
主な企業の営業損益、当期損益の対比は以下の通り。
営業損益 | |
営業損益は企業により大きく異なる結果となった。
多くの企業、特に石油化学関係の業績が年を追って悪化しており、2011/3>2012/3>2013/3となっている。
三井化学が典型である。
下記企業も大幅減益だが、好調な事業が石化等の減益を大きくカバーした結果での大幅減益である。
三菱ケミカルは医薬品が、住友化学は情報電子化学と健康農業関連、医薬品が石油化学の減益をカバーしている。
旭化成も住宅と医薬・医療が、帝人はヘルスケアがカバーした。
日本触媒は爆発事故の影響で減益となった。トクヤマは多結晶シリコンの損益が激減した。
逆に、強みを持つ製品の貢献で増益となった企業もある。
信越化学はシンテックが好調で、半導体シリコンの減益を補い、増収増益となった。
積水化学は住宅の損益が急上昇、全社利益の半分以上を占める。高機能プラスチックも好調。
クラレも若干の減益となったが、ポバール製品等が好調で高水準の利益を継続した。
なお、多結晶シリコンについては、トクヤマの2008年3月期の「特殊品」(ほとんどが多結晶シリコン)の営業損益は300億円程度もあったのがゼロになった。信越化学の信越半導体グループも同じ期に1330億円の営業損益を計上していたが、2013年3月期は200億円程度と推定される。
液晶パネルの例に見られるように、グローバル化の進展で市場の状況が短期間で激変するようになった。
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当期損益 | |
当期損益では、業績悪化を受け、減損処理等で多額の特別損失を計上した企業が多い。
住友化学は千葉工場のエチレンを停止することに伴うものとと、レゾルシンと偏光フィルムの環境変化に伴うもので229億円の減損損失を計上、更に事業構造改善費用として108億円を計上した。
更に、赤字計上に伴い繰延税金資産の見直しを行い、350億円の法人税等調整(損失)を行った。三井化学も事故損失 (保険金でカバー)、事業再構築の減損損失56億円、関連事業損失41億円などを特別損失に計上した。
帝人も炭素繊維他で減損損失294億円を計上した。
トクヤマも特別損失に多結晶シリコンとその併産品の乾式シリカ設備の減損損失や棚卸資産評価損を計上した。
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