石油化学製品輸出国フォーラム(PECF) 設立へ

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D8(Developing 8=イスラム途上国8カ国)の石油化学会議が5月20日、テヘランで開催され、イラン、トルコ、マレーシア、ナイジェリア、エジプトの5か国が出席した。

D8は1997年にトルコ首相の提案で設立されたイスラム教徒が多い途上国のグループで、メンバーは上記5か国のほか、バングラデシュ、インドネシア、パキスタンの8か国。

この会議でトルコとエジプトが、イランが提案していたOPECに類似する国際的な石油化学製品の組織、石油化学製品輸出国フォーラム(Petrochemical Exporting Countries Forum :PECF) の設立に同意した。イランのTVがイラン石油化学協会会長の発言を伝えた。

近く国際組織設立の手続きや憲章作成のため、他のイスラム諸国との交渉を始めるとしている。

会長は「イラン、トルコ、エジプトの3か国で石油化学OPECの核が出来た。カタールやサウジアラビアが交渉に参加する」と述べた。
会長は2012年11月には、他にUAEやロシアも候補に挙げている。

以前のOPECのような価格カルテルになる可能性はほとんどないと思われる。

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同様の組織としては、ロシア主導で2008年に設立されたGas Exporting Countries Forum (GECF)がある。

2008/12/26 天然ガス版OPEC?設立

 メンバーは以下の通り。

正式メンバー
(13か国)
アルジェリア、ボリビア、エジプト、赤道ギニア、イラン、リビア、ナイジェリア、
カタール、ロシア、トリニダード・トバゴ、ベネズエラ、
(追加加盟) オマーン、UAE
オブザーバー
(4か国)
カザフスタン、ノルウェー
(追加)オランダ、イラク

このフォーラムの加盟国は、世界の天然ガス総生産量の42%、世界の天然ガス埋蔵量の70%、そして輸送パイプラインによって移送されるガスの38%と、世界の液化ガスの取引の85%を占めてい る。

しかし、GECFは、当初懸念されていたガス版カルテルにはなっていない。

特に最近は米国のシェールガス革命で市場の状況が大きく変わり、欧州の死命を制するかと懸念されたロシアの天然ガスの 重要性が減少、ロシアはアジアに目を向けざるを得なくなった。
今回の米国のFTA非締結国へのLNG輸出承認で状況は更に変化する。


2012年11月に
赤道ギニアの首都マラボで開かれた第14回閣僚会合では、シェールガス増産を背景にガス消費国から見直しを求める声が強まっている原油価格連動方式が議論された。




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