4月28日の香港証券取引所への届出によると、シノペック冠德、中国海運集団、商船三井(Mitsui O.S.K. Lines)の3社出資の合弁会社が滬東中華造船(Hudong-Zhonghua)と中国造船に6隻のLNG船を発注した。
シノペックが49%、中国海運が51%出資でChina Energy Shipping Investment を設立、同社が80%、商船三井が20%出資で6つの合弁会社を設立した。6隻のLNG船それぞれの輸送業務を行う。
商船三井は現在、69隻のLNG船を保有しており、約2割の世界シェアを持つ。
中国側は商船三井のLNG船輸送のノウハウを必要としたとみられる。
建造費合計は15.1億ドルで、その20%は出資金、80%が中国EXIM銀行、中国工商銀行、中国銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行の日中6行のシンジケートローンでまかなう。
2016年4月から2017年11月までに順次引き渡される。
2016年から20年間、年760万トン(中国輸入量の約5割、世界需要の3%)のLNGをオーストラリアから運ぶ。
輸送するLNGはシノペックも出資するAustralia Pacific LNG Project のもの。
Australia Pacific LNG ProjectはオーストラリアのQueenslandでコールシームガス(Coal seam gas:CSG) を採掘、パイプラインで輸送し、Gladstone沖のCurtis IslandのLNG施設でLNGを生産するもの。2系列で合計年間900万トンのLNGを生産する。
ConocoPhillipsが37.5%、豪州のLNG業者のOrigin が37.5%、シノペックが25%を出資している。
ConocoPhillips は2006年以降、Darwin でLNG施設を所有・運営している。
(チモール海共同石油開発海域の Bayu-Undan油・ガス田)OriginはQueensland では30年間活動しており、CSG分野では15年の経験を持つ。
CSGは、Coalbed methane、炭層ガス、炭層メタンなどとも呼ばれ、石炭層を覆っているメタンガス。
石炭層は地下200~1,000mの地層に存在する。
石炭層にメタンが付着しており、炭層の亀裂(Cleats)は水で満たされている。ポンプで水を汲み上げることで水圧が減り、メタンガスが石炭から分離して水とともに汲み上げられる。
水とガスは分離され、ガスはパイプラインでGladstone沖のCurtis IslandのLNG施設でLNGにされる。
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