SK Capital Partners の事業

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SK Capital Partners は5月1日、Chemtura Corporationの酸化防止剤と紫外線安定剤(UV stabilizer)事業の買収を完了したと発表した。
2012年11月に売買契約を締結したもので、
対価は約2億ドル。

新会社 Addivantを設立する。同社は ポリマー、プラスチック、ゴムの性能向上に使われる酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、 阻害剤 (inhibitor)、樹脂改質剤、紫外線安定剤を含む包括的な添加剤を扱う。

Chemtura は2005年にCrompton とGreat Lakes Chemical が合併して設立された会社で、樹脂添加剤では世界最大のメーカー。
ほかに農薬、石油添加剤、ウレタンポリマー等を生産している。農薬は旧Uniroyal の事業。

Crompton 1999年に Crompton & Knowles と塩ビ添加剤メーカーのWitco が合併して出来た。
Crompton & KnowlesUniroyalの事業を買収している。

Great Lakes Chemical は水処理剤、家庭用クリーナー、難燃剤、安定剤等のメーカー。

Chemtura は2006年に旧Uniroyalの事業のEPDMとゴム薬事業をLionに売却した。
      2006/11/14 
合成ゴム会社 Lion Copolymer, LLC

Chemtura は2009年3月に米国の事業に関して Chapter 11 の申請を行ったと発表したが、2010年11月20日、財務リストラが完了し、Chapter 11から離脱したと発表した。

2009/3/21 Chemtura、民事再生法申請

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SK Capital Partners はニューヨークを拠点とする非公開株式会社で、同社の戦略は、Specialty Materials &Chemicals とHealthcare分野のニッチ市場のリーダー企業を買収することにある。

同社はこれまで、下記の事業を買収している。

買収企業  製品 取得 相手
Aristech Acrylics acrylic sheet 2008/4 三菱商事
Ascend Performance Materials Integrated Nylon Business 2009/6 Solutia
Calabrian Corporation sulfur dioxide and downstream derivatives 2011/5  
IBA Molecular radiopharmaceutical products 2012/4 Ion Beam Applications
TPC Group C4 hydrocarbons 2012/12  
  Textile Chemicals, Paper Specialties,  Emulsions 2012/12 Clariant
Addivant Antioxidant and UV Stabilizer 2013/5 Chemtura


第1号事業が三菱商事から買収したAristech Acrylicsである。

Aristech Chemical 化学品(フェノール、アセトン他)、ポリマー製品(ポリプロピレン他)の製造販売を行っていた。

1989年にHuntsmanがAristechの買収を計画した。Aristechはこれを拒否、一時は住友化学にもPPを分離してJVにする提案もしたが、1990 年に三菱商事が買収提案を行い、Huntsmanが買収を諦めたため、三菱商事による買収が確定した。買収額は850百万$だが借入金の引継ぎなどをいれると 10億$以上となるといわれた。

当初同社には三菱化成、三菱油化、三菱瓦斯化学、三菱レーヨンが各4.48%出資して三菱グループ総力を挙げて取り組む姿勢を見せたが、その後、 三菱商事100%となった。

2000年11月、三菱商事はAristechをSunocoに売却した。アリステックを買収して以来、石油化学品事業の戦略において、北米の橋頭堡として位置づけてきたが、原料価格の上昇を製品価格に転化しきれず、採算が大幅に悪化していた。譲渡価格は固定資産及び棚卸資産の合計で695百万ドル、これにその他の資産・負債を加減した金額になる。

1997年にアリステック・ケミカルのアクリル樹脂事業部門を分離独立し、三菱レイヨンが10%出資し、Aristech Acrylics LLC を設立したが、これはスノコへの売却資産には含まれず、三菱商事が88%出資で残っていた。

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SK Capital Partnersは2009年6月、Solutia Inc. からのナイロン事業買収を完了した。新しく Ascend Performance Materials を設立した。
買収金額は50百万ドルで、Solutiaは新会社の2%を受け取る。更に2011年以降4年間、毎年1百万ドルを受け取る。

Solutiaは1997年9月にMonsantoの化学部門が分離独立して設立された会社である。

Monsantoは1901年設立の化学会社だが、1985年にバイオケミストリー分野での事業展開のため、G.D.Searle を買収した。
1997年に化学部門をSolutia として分離した。

なおMonsantoは
1998年に American Home Products と合併で合意したが、破談となっている。
2000年4月にPharmacia & Upjohn と合併し、Pharmacia となった。

Pharmacia は2002年に農薬部門を再度 Monsanto として分離した。
Pharmaciaは2003年にPfizer に買収された。

Solutia は2003年12月、連邦破産法11条申請を行った。
2008年2月、会社更生手続き(Chapter 11)を終了し、再生に向けスタートした。

  2008/3/4 Solutia、破産手続き終了

2012年1月、Eastman Chemical がSolutia Inc. の買収を発表した。

  2012/2/3  Eastman Chemical、Solutia を買収

Solutiaのナイロン事業は主に、自動車、建築、輸送、産業用に機能材料を生産するが、主要製品は以下の5つ。

・Saflex®:合わせガラス用 polyvinyl butyral (PVB) 中間膜
・CPFilm® :窓ガラス用フィルム
・Nylon Plastic & Fibers:アジピン酸、ヘキサメチレンジアミン、Nylon 66、ナイロン繊維
・Flexsys® :合成ゴム加硫剤
・Specialty Products :高温合成系熱媒体、航空機用作動油、航空機用洗浄溶剤、
    ポリビニルブチラール樹脂、ジフェニルオキサイド

同社は2008年6月に「原料やエネルギー価格などに左右されやすく、景気循環の影響を受けやすい」ナイロン事業をどうするか検討のためコンサルタントと契約を締結していた。

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SK Capital Partnersは2011年5月、二酸化硫黄と関連製品のメーカーのCalabrian Corporation を同社のオーナーと共同で再構築することを決めた。

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SK Capital Partners は2012年4月、 IBA(Ion Beam Applications S.A.)から IBAの radiopharmaceutical divisionを分離独立させたIBA Molecularの 60% を買収した。残り40%はIBAが所有する。

同社の製品はPositron Emission Tomography (PET)やSingle-Photon Emission Computed Tomography (SPECT)などで使用される。

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SK Capital Partnersは2012年12月、エネルギー分野での投資会社のFirst Reserve Corporationと共同で、ブタジエン、ブテン-1、イソブチレンなどC4留分専業会社の TPC Groupを買収した。
買収額は負債込で約850百万ドル。

TPC Groupは旧称Texas Petrochemicalsで、元々は1943年に米国政府が合成ゴム製造促進のためにつくったRubber Reserve Co.である。
その後、合成ゴム事業は各社に分離され、同社は現在はC
4留分の専業会社となっている。
2000年にDIBに進出、2006年にHuntsmanからMTBEとブタジェンのプラントを購入している。

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SK Capital Partnersは2012年12月、Clariant のTextile Chemicals, Paper Specialties, Emulsions 事業を買収する契約を締結した。
買収金額は約5億ドルで、SK Capital は年金債務の一部を負担する。

 

 

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