公取委は5月29日、平成24年度における独占禁止法違反事件の処理状況を発表した。
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h25/may/130529.html
主な内容は以下の通り。
1.課徴金納付命令
延べ113社に合計250億7644万円。
入札談合・価格カルテル等の不当な取引制限に対する課徴金のうち、
・主導的な役割を果たした事業者に対する割増算定率適用 2件、延べ6社
・違反を繰り返した事業者(10年以内)に対する割増算定率適用 4件、延べ4社
* 課徴金算定率が10%が15%に、両方の場合を満たすときは20%に。
・早期に違反行為をやめた事業者に対する軽減算定率適用 4件、8社
* 違反行為の期間が2年未満で、調査開始日の1か月前までに違反行為をやめていた場合
課徴金算定率が10%が8%に
2.刑事告発
2012年6月、
軸受(ベアリング)製造販売業者による価格カルテル事件について、不二越
、日本精工、NTNの3社と社員7名を告発。
ジェイテクトは自主申告したため告発対象から外れた。
不二越に1億8000万円
、日本精工に、3億8000万円の罰金
、両社の5名に懲役1年ないし1年2月(いずれも執行猶予
3年)の有罪判決。
NTNについては公判中
。
2012/4/23 東京地検、ベアリング大手4社をカルテル容疑で家宅捜索
3.課徴金減免制度
課徴金減免制度の適用状況
年度 18 19 20 21 22 23 24 累計 申請件数 79 74 85 85 131 143 102 725 適用件数 6 16 8 21 7 9 19 86 適用事業者 16 37 21 50 10 27 41 202
実際の減免は個別に公表されている。
2012年 http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/kouhyou/itiran24.html
2013年 http://www.jftc.go.jp/dk/seido/genmen/kouhyou/itiran25.html
4. 不当廉売
不当廉売事案の注意件数の推移
5.審判
審判係属件数の推移
審判事件数は行政処分に対する各社の審判請求ごとの事件番号の数
1) 平成24年度中に係属していた審判事件数は170件(うち 課徴金納付命令 95件)
47件(うち 32件は新潟市等のタクシー事業者に対する件)の審判手続を開始。
13件の審決 (2012年5月30日 MBSカルテルでカネカと三菱レイヨンに課徴金に関する審決)
2) 排除措置命令に係る審判請求棄却審決 3件
溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯の製造販売業者による価格カルテル事件に係るもの1件
3) 排除措置命令を取り消す審決 1件
音楽著作物の著作権に係る著作権等管理事業者による私的独占事件
公取委の排除措置命令を公取委が取り消す審決を行ったもの。
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h24/jun/120614.html
6.審決取消請求訴訟
年度当初係属中の審決取消請求訴訟 14件
年度中に新たに提起 5件
これらのうち、原告の請求を棄却する東京高裁判決 5件(うち3件は確定、2件は上訴)
最高裁で上告棄却 1件 (多摩談合事件の課徴金納付命令事件)
差引 係属中 15件
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