昨日の記事の通り、Asia Mineralsは南アのKudunane Manganese Resourcesに出資する 。
Asia Minerals Limited (亜州砿業有限公司) は1993年に香港に設立されたマンガン専業メーカーで、鉱石からアロイ、メタル、化学品までを一貫して扱う。
日本人のHirotaka Suzuki 氏が創業者・会長である。
Asia Metals は2005年に内蒙古のフェロアロイ製錬会社 Inner Mongolia Resourceを取得した。
シリコンマンガン、中低炭素フェロマンガンなどを生産する。(年産7万トン)
2009年には第二の生産拠点として、遼寧省錦州市太和区にある製錬会社 Jinzhou AML Resources を買収した。
同社はAsia Metals (AML) が81.67%出資し、他に CITIC Jinzhou Ferroalloy(中信錦州フェロアロイ)、日本電工、豊田通商が出資する。シリコンマンガンの年産能力は5万トン。
同社は日本を初め、韓国、中国、米国、EU、CIS、中東のほとんど全ての製鉄メーカーにマンガンアロイを供給している。
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2012年5月にKudumane マンガン計画の最初の爆破の式典が鉱物資源相やAsia Metalsの鈴木社長やMr.Africaと称される矢野哲朗・アフリカ開発協会理事長が出席して行われた。
Kudunane Manganese Resourcesは、Northern Cape Manganese Company とDirleton
Minerals & Energy が株主で、この2社にはAsia Minerals と現地のBBBEE企業のBold MovesとNWC
Manganeseが出資する。
実質ベースでAsia Minerals が49.0%の出資となるが、将来は61.5%となる。
採掘はオープンピットと地下鉱山採掘の二つで、最初はオープンピットで始める。
鉱石は道路と鉄道でPort Elizabethに運び、輸出する。
現在Port Elizabethの近くで建設中のCoega Industrial Development ZoneとNgqura深水港が完成すると、そこから輸出する。
(昨日の記事参照)
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Asia Metalsはマレーシアのサラワク再生可能エネルギー回廊(Sarawak Corridor of Renewable Energy:SCORE)にマンガン精練所を建設している。
建設地はサラワク州ビンツル市北東のサマラジュ工業団地で、2013年7月〜9月から段階的に立ち上げ、2014年12月までにフル稼働に入る計画。
サマラジュ工業団地では、トクヤマが太陽電池向け多結晶シリコン生産工場を建設している。
年産能力はシリコマンガン12万トン、中低炭素フェロマンガン5.4万トン、フェロシリコン6万トン、原料用の焼結鉱20万トンで、投資額は約240億円 。
日本電工は2012年5月、この計画に参加することを発表した。事業会社はPertama Ferroally SDN. BHDで、Asia Mineralsが60%、日本電工が20%、神鋼商事が7%、中央電気工業が5%、マレーシアのCarbon Capital Corporation SDN.BHD.が8%出資する。
南アのマンガンもここで製錬する。
南アのTshipi E nete Manganese Mining に出資するOM Holdingsもサラワクに製錬所を建設している。
第一期はフェロシリコンアロイ年産308千トン。
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日本電工の主事業は合金鉄事業で、フェロマンガン、高炭素フェロクロム、フェロバナジウム、フェロシリコン、シリコンマンガンなど、ほとんどの品目をカバーして いる。他に機能材料事業として、マンガン酸リチウム、フェロボロン、酸化ジルコニウム、ほう素製品を扱う。
2010年に新日鉄(現・新日鐵住金)が14.86%を取得 した。
日本電工は南アに2つのJVを持っていたが、1社を売却した。
NST Ferrochrome (Pty)Ltd ステンレス原料のフェロクロムの製造・販売
1993年設立。
Samancor Chromeとの50/50JV
(2009/11にInternational Mineral Resources がSamancor Chromeの70%を取得した)日本電工は2012年5月、下記のマレーシアへの投資集中のため、JV相手への売却を決定した。
SAJ Vanadium(Pty) Ltd. フェロバナジウムの製造・販売
2002年設立。
日本電工 50%、Vanchem 40%、三井物産 10%
(当初はHighveldとのJV)
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